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本紙・総合事業全市町村アンケート 効果ある介護予防策模索

2017年9月1日(金) 配信
今年4月全市町村で「介護予防・日常生活支援総合事業」が実施されたのを受けて、本紙は7月に全1741区市町村に郵送アンケートを実施し、328市町村(回答率18・8%)から回答を得た。現行相当は回答市町村の(97%)で実施されていたが、訪問型、通所型とも、文字通り多様なサービス展開が行われていた。インセンティブ導入の法定化によって、効果の見込める介護予防策の充実を図ろうとする保険者の姿が見られた。(8面に詳細記事)

回答は、47都道府県328区市町村(191市、8区、112町、16村、1広域連合)から得た。現行の介護予防訪問介護と介護予防通所介護を、基本的には基準・単価を変えない「現行相当」が、回答市町村の98・2%にあたる322市町村で実施されていた。総合事業の方向性は、当面は現行相当でも、今後は多様なサービス提供主体を養成して、基準緩和A型や住民主体B型へ転換をめざしている。

最初から現行相当なし
すでに現行相当のない市町村は、回答の中で3区町あった。箕輪町(長野県)は「訪問・通所ともサービス実態として身体介護がほぼなく、現行相当と基準緩和の2つを置くことで、利用者や事業者に混乱を起こすおそれがある」(福祉課高齢者福祉係)として、基準緩和A型にしぼった。新ひだか町(北海道)では、16年1月総合事業開始時は現行相当があったが、16年9月に基準緩和に変更した。東京都葛飾区は、「15年4月から独自基準の作成や区民や事業者への説明、広報を行い、16年4月から総合事業を開始。一斉ではなく、認定更新時に現行相当から基準緩和に切り替え、ほぼ終了した」(福祉部)。また、長野県山ノ内町は、訪問サービスについて、現行相当は継続の人を対象にし、新規は基準緩和Aを利用し、継続の人が介護サービスなどに移行した段階で自然に現行相当をなくす。

基準緩和A実施は5割
多様なサービスの実施状況は、訪問型・通所型とも、基準緩和Aが5割の市町村で実施されていた。住民主体Bは、これも訪問型・通所型とも18%の実施になった。専門職が3〜6カ月間関わる短期集中Cは、訪問型で22・6%、通所型で46・6%で実施されていた。

水際での短期集中C
短期集中Cは、悪化を防止する水際作戦で、自立へ向けて有効なツール。奈良県生駒市では、地域ケア会議で短期集中Cの対象者個々の自立に向けた手法を多職種で検討。3カ月の期間に3回検討を行い、自立への進捗状況を確認しながら進めている(本紙9面)。

移送支援Dを側面活用
訪問型には、移送支援Dがある。回答の中で4市町が実施。病院などへの付き添い(B)と移送支援Dを一体的に提供する千葉県流山市や、介護タクシーの空きをして通院や買い物を30分以内片道510円で実施する鹿児島県さつま町などがある。

機能向上デイは4割
通所型のサービス内容を「一般」「機能向上」「両方」の3択で尋ねた質問では、レスパイトや長時間ケアを主体にした「一般」が57・3%、筋トレや口腔機能向上など「機能向上」2・1%、その「両方」が36・9%という結果になった。

意見分かれるインセンティブ導入
本紙調査でもっとも注目されたのは、インセンティブ導入に対する市町村の意見(自由記載)で、161市町村から回答があった。全体として、インセンティブ導入に対しては評価項目の開示を求める意見が多かったが、その一方で、インセンティブ導入の是非に関わらず、効果の上がる介護予防策を推進していくという意見が多く見られたのが印象的だった。

「介護保険の目的である自立支援をデータで評価することで、意識の変化につながる。事業所指定更新時に、機能向上型デーサービスの指定を行い、インセンティブ付与を検討する」(栃木県足利市)

「高齢者健康ポイント制度などの導入により、すべての高齢者が健康づくりや介護予防に取り組むことができる体制を構築するとともに、介護予防ボランティアポイント制度などにより新たな担い手の確保を図る」(山梨県都留市)

「市独自の介護予防リーダーや住民主体の訪問型Bの担い手に対して、インセンティブとしてポイント付与の仕組みがある」(岐阜県海津市)

蒲原基道厚労事務次官は、本紙インタビュー(6面、当時老健局長)で、インセンティブ導入について、アウトカム評価と合わせてプロセス評価を行うと述べている。

回答からの印象では、インセンティブ導入が、受け止めのいかんにかかわらず、市町村の介護予防への取組に火をつけた感もみられる。
(出典:シルバー産業新聞)

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