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介護保険と在宅介護のゆくえ59 40歳から保険料を払い続けるのに給付縮小で民間サービスに替わるのか

2017年3月10日(金) 配信
1.2月衆議院で介護保険法、 医療保険など9本が論議
介護保険法など9本の法律改正が2月に衆議院、3月に参議院での国会通過が目前である。
介護保険法改正のポイントは、’収340万円以上は自己負担3割(保険給付7割)に上げる。居宅利用者の13万人、特養利用者の1万人が対象一度負担した額が一定額を超えると戻る「高額介護サービス費」が住民税課税の人の場合に、今までの3万7200円から4万4400円に引き上げ、戻る額を減らす40〜64歳の健康保険料に上乗せで引かれる介護保険料が、人数比例から所得比例に変わり、公務員や学校の先生などの共済保険や大手企業などの組合健康保険の保険料がアップし、国保や協会健保など所得の低い人の保険料は減り、国保に税金補填分も減る。

さらに、げ雜醂斗槁他欧錬暁間、転換のための経過措置を設け、「介護医療院」(仮称)として看取りや日常的な医療管理の体制をとるァ崔楼莇生型サービス」として、障害サービス事業所に介護指定を行うなど、一体的に障がいと高齢を合わせてサービス提供できるようにする。

Δ修梁勝⇒弉雜酣定期間の3年への延長や、「地域密着型通所介護」に指定拒否の導入。有料老人ホームの業務停止命令制度の新設、その他医療保険でも75歳以上の後期高齢者医療保険の特定廃止による保険料のアップ、70歳以上の17年度から外来の負担アップ――など、ジワジワと負担が増えていく。

2.処遇改善加算は5段階に変更し、1・14%報酬アップ
介護職の低賃金で介護離れが継続し、資格保有者が介護の仕事についていない現状に対して、処遇改善加算にキャリアパス要件を加えて、17年度から新たな加算率を導入する。これ自体は評価できるが、介護報酬の減額が続くことが介護現場の疲弊や事故、虐待を招いている現実の打開が優先課題である。また、外国人技能実習制度を介護職種に広げることは、「最低賃金で働く人の導入」であり、介護職の低賃金の固定化に繋がる危険が大である。

3.東京都が特区で混合介護を解禁
公的介護保険に3割負担、2割負担、生活援助の継続でも報酬減額で時間や回数が減る、高額介護費で実質負担が増える。サービス事業所は公的介護保険縮小で経営が苦しい。グラフは15年度決算であるが、21サービスのうち16サービスが減収である。15年度の報酬減の結果である。

このような経営悪化に対して次の報酬改定では、継続される生活援助は報酬の大幅減が予測され、結果として事業者が減り、回数や時間が少なくなる危険性がある。このような状況に対して、豊島区が特区で介護保険の対象者と対象外の家族等へのサービスを同一事業者が一体的にサービスを提供し、自費で支払うサービスを解禁する。従来の混合介護利用者に介護保険と保険外を提供しているが、これは対象が介護保険と関係ない家族へのサービスを、ヘルパーなどが一体的・同時的に行うものである。

目的はサービス事業所の収入アップであり、それが職員の待遇アップにつながるとしている。さらに、政府も国家戦略特区ワーキンググループと厚生労働省が解禁に向け協議に入る。公的介護保険を縮小し、民間サービスを拡大することで、所得のある人だけが救われることになる。自費で負担できないから公的介護保険を創設したのにである。

介護職にまともな給与が払えない報酬削減をして外国人を導入し、公的介護保険を縮小して、困るなら民間サービスを拡大するなどは国の高齢者福祉政策として妥当ではない。高齢期の安心なくして地域が支える社会ができるとは考えにくい。国会での論議に注目しよう。
(出典:シルバー産業新聞)

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