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CareTEX2016 専門セミナー特別配信 No15

【タイトル】
 医療・介護ベッド 事故と対策について

【セミナー概要】
 介護ベッドの事故の件数、状況、発生場所さらに事故防止対策等と、医療・介護ベッド安全普及協議会にて作成した、
 注意喚起パンフレット及び、注意喚起動画を基に、講演します。

【講師】
 医療・介護ベッド安全普及協議会 広報部 会長 石橋 弘人

(敬称略)

※この動画及び講演内容は、2016年3月16日に行われた、CareTEX専門セミナー(於:東京ビッグサイト)
 での講演を収録・記録したものです。
※この動画及び講演内容の無断転載・複製を禁じます。
※当社は、当ページのコンテンツ(動画及び全文)の正確性の確保に努めてはおりますが、
 提供している情報に関していかなる保証もするものではありません。

専門セミナー 講演内容全文

■ 司会による紹介

本日はCareTEX専門セミナーにご参加いただきまして、ありがとうございます。これよりセッションナンバー28、介護用品コース「医療・介護ベッド 事故と対策について」の講演を開始いたします。

はじめに本セミナーの講師の方をご紹介いたします。医療・介護ベッド安全普及協議会 広報部 会長 石橋弘人先生です。石橋先生が1984年日本フィリップス株式会社にご入社。その後、1999年医療・介護ベッドを製造している株式会社プラッツにご入社され、2009年同社の取締役広報室長にご就任されました。
また、より安全な医療・介護ベッドの開発、普及を目的としている医療・介護ベッド安全普及協議会には広報部会長としてご活躍されています。

本セミナーでは介護ベッドの事故の件数、状況、発生場所さらに事故防止対策等と、医療・介護ベッド安全普及協議会にて作成した、注意喚起パンフレット及び、注意喚起動画を基にご解説いただきます。それでは石橋先生、よろしくお願いいたします。

■ 医療・介護ベッド安全普及協議会について

はい、ご紹介いただきました、プラッツの石橋と申します。今日はお食事のすぐ後ということで、私の低い声を聞かれると、ちょっとうつらうつらされる方もいらっしゃるかもしれませんけども、ベッド周りの最悪死亡に至るような事故というのが結構実は発生しておりまして、今日聞かれた内容を是非職場のほうに持ち帰っていただきまして、様々な事故の予防にお役に立てればな、と思います。1時間しっかりお話させていただきますので、お付き合いの程、よろしくお願いいたします。

まず、最初にお手元の資料ですね、こちらが今日お話しする資料全て、こちらにご用意されてます。それと協議会の医療・介護ベッド安全普及協議会の案内のパンフレット、この小さいの。それと、非常に事故が多発した時に発行したんですけども、医療・介護ベッド、ここが危ないという黄色いパンフレットですね。それとCareTEXのアンケート、この4つがお手元にあろうかと思います。では、始めさせていただきます。

今日お話しするのは、医療・介護ベッドの事故と対策、それと表題には書いてませんけども、JIS規格が去年12月にちょっと変わっておりますので、その辺を交えて、お話したいと思います。

まず、協議会のちょっとご案内をさせてください。医療・介護ベッド安全普及協議会といたしまして、設立が平成14年に設立されました。ここに名前がある通り、日本の医療・介護ベッドの95パーセントくらいは、この会社が全て作っているといってもいいかな、と思います。会長はパラマウントの木村さん、理事としてフランスベッドの池田さん、シーホネンスの増本さん、ランダルの小島さん、そして、弊社の福山というのが会長、理事、監査という形で参加しております。普段は商売の上ではお互いにライバルなんですけれども、事故に関しては一生懸命一緒にやっていこうよ、ということで、設立、参加しております。主な活動といたしましては、今回のようなセミナー活動、春の大阪であります、バリアフリー展、秋に東京でやります、国際福祉機器展。その他様々なこういった展示会とか勉強会とか、いうところでセミナーをやっております。あと、情報発信の方はホームページでやっているんですけれども、これ後程、ご紹介いたしますが、もっとわかりやすい事故に関しての動画を作っております。これ後程、ご紹介いたしますので、見ていただければな、と思います。

今日はちょっとご紹介できないんですけれども、過去にいろんな資料を作ってまして、ベッドの安全使用マニュアルですとか、電動介護ベッドのハンドブックとか、様々にご利用にいただけそうなものを多数作っておりますので、どうぞこれで検索していただくと出てきますので、ご活用の方、よろしくお願いいたします。

■ 医療・介護ベッドの基本

はい、今日の内容でございます。医療・介護ベッドの基本、これは今日お越しの皆様は医療・介護のご専門の方だろうということで、簡単にやりますけども、基本それと病院・老人施設における事故の概要、ベッド周りでの事故の対策とこういったことをやっていこうと思います。

まずは、ベッドの種類なんですけども、一般的に家具屋さん等で売っていらっしゃる家具のベッド、在宅で使われます介護用ベッド、病院等々で使われます病院用ベッド、大きくはこの三つに分かれます。違うのは、この二つに関しては背や膝を上げたり、高さ調節ができると。ギャッチ機能と俗にいわれるものがついている、ということ。それとベッド柵、これを利用することができる、ということがございます。
病院用のベッドに関しては搬送用のキャスター、これが付いているという事です。ベッドにもいろいろございまして、これはよくアメリカのテレビ何かに出てくるようなやつですね。この背上げをするボトムにサイドレールが、もうついちゃっているようなやつですね。こういったものが欧米では主流になっております。また、欧米の在宅の方では、こういったサイドレールの代わりに、こういった木のスレッドなものが上がったり下がったりということで、落下を防ぐようなこういったのが使われております。日本の方では1960年代日本で確立されたスタイルといたしまして、よくご存じのこういったスタイルに変わってきたと。大きく違うのはこのサイドレールが分離式で取り外しができる、ということが大きく違うところでございます。ちょっと名称も統一したいなというとこで、JIS規格の方で定めたんですけども。通常ベッド柵とか、柵とか、あるいは手すりとかいう呼び方をされておられましたけども、一般的にこの良くご存じのこれ、サイドレール、それと立ち上がりを補助するもの、手すりと呼ばれておりましたけども、これはベッド用グリップという名前で各社統一をしております。補助としては、寝ている人の転落や落下、これを防ぐためのものです。立ち上がり補助のためのものです、ということです。

■ 病院/老人施設での事故の概要

では、病院施設での事故の概要についてご説明したいと思います。

その前に社会的な統計といたしまして、平成26年、いろんな方がいろんな原因で亡くなっておられるんですけども、年間に約127万人の方が亡くなっておられまして、悪性新生物、いわゆる癌ですね、癌で亡くなってらっしゃる方、心疾患の方、肺炎の方、脳血管の方、いろいろいらっしゃいます。割合でいくとお手元の資料にもありますけども、こういうふうな割合になっております。この中で不慮の事故、これで4万人くらいの方が年間に亡くなっております。窒息のほうで約1万人。それとベッドにも絡んでくるんですけども、転倒・転落、これで約8,000人ぐらいの方が亡くなっていらっしゃる。

これは交通事故ですね。今まで交通事故、というと大体1万人くらいの方が亡くなってこられて、徐々に減ってきてはいるんですけれども、交通事故よりも転倒・転落によって亡くなられる方が多い、というふうに統計データも出ています。そういった背景の中で、もうご存じのように超高齢化社会を迎えていく、ということでございます。その中で認知症の方、非常に増えてまいります。高齢者の5人に1人は認知症ということで、認知症の方がいろんな動きによって事故に至る、死亡に至る、というケースも実は結構ございます。後程、ご説明したいと思います。

病院に関する統計といたしまして、昭和48年から平成20年、患者さんの数の推移としてはそんなに変わっていないんですけども、やっぱり高齢化によりまして、この緑のほうですね、65歳以上の緑の方々がどっと増えてきている、ということでございます。最近、お国の方が社会保障費の抑制とか、いろいろいっていますけども、65歳以上の方々がどっと増えるということは、ちなみに例えば、75歳以上の方が使う、年間に使う医療費、いくらぐらいかご存知ですか。一人平均、90万円くらいですかね、お一人平均。今年に比べて、2025年500万人増えるといわれていますんで、これだけでも年間に4兆円を超す医療費が増える、というような感じになっていますね。非常に兆強な状況にあるということをご理解ください。

病院内での事故の割合なんですけども、お薬関係の割合が全体の3分の1くらい、あと抜去。カテーテルを抜き忘れたり、いろんなチューブ関係を抜き忘れたり、そういったことに関するものが6分の1くらい。それと転倒・転落、これが全体の6分の1くらい、という数になっています。時間帯の方はこんな感じですね。昼間が約半数で、夜が25パーセントくらい起きている、と。実は日本の、これすみません、皆さんたちの資料にはないんですけれども、平成25年に、データを見ますと、今、今年の、申し訳ございません。去年の4月か。やった医療事故が起きた場合には、届け出をしなさい、ということが義務化になりました。よって今年の4月、5月遅くとも9月ぐらいには年間の医療事故が何件だったというのが出てくると思うんですが、平成25年の段階では届け出る義務がある施設、というのは274施設でございまして、医療事故のある件数がこういうふうな2,700件ということでございます。トータルのベッド数が14万ベッドということなんで、大体、日本全体に起きてる医療事故の件数は、これは10倍くらいあるんではなかろうか、というふうには推測はできます。秋のHCRの時には、もっと正確な数字が厚労省からくるんではないかな、と思います。

一方、今の病院の方なんですけども、老人施設系がどうなんだろうね、と。世田谷区の方が本当にありがたいことなんですけども、ずっと事故情報を出してくれております。人口83万人、年間1,082件の様々な事故が出ております。単純に日本の人口で足し算、引き算、掛け算、割り算しちゃうと、大体、老人介護保険を使っている、介護保険可の老人施設で起きている数は大体16万件ぐらいかな、ということがいえます。ただ、これが世田谷区で83万人で1,000件なんですけども、昨日情報が入ってきましたけど、松山の、四国のですね。こちらは50万人に対して1,000件超えている、ということなんで、もっとこれは実は地方に行けば、既に高齢化している地方においては、件数はもっと多いのかなと。そうしますと、年間に20万件ぐらい起きていても不思議ではないな、というふうな状況でございます。これが世田谷区の事故の状況です。高齢化、高齢者が増えるに従って、事故が増えるという事が、お分かりいただけるかと思います。

では、事故の要因はなんでしょうね、ということなんですけれども。先程、転倒・転落によって亡くなる方が年間8,000人というふうな数字ございましたけども、世田谷区の事例でも転倒、表の見方はこれで、転倒によって骨折した人331件ですよ。転倒によって打撲をした人150件ですよ、そういう見方です。結果、約1,000件の事故事例の中で、転倒による事故が590件。転落による事故が54件、というふうな表の見方をしていただければ、と思います。この三つですね、全体の75パーセント、あと真ん中に介護・看護中の事故、というのがございます。トータルで814件、転倒、介護中の転落が割合としてはこういうふうになっていますね。で、骨折による事故、これが426件ということです。この表、ちょっと違うかなと思うのは、大体骨折が一番多い、というよりも恐らく打撲とか、こちらの方がはるかに数としては多いんだろうな、と。だからちょっとした打撲だったんで、報告のリストには入っていないというのが、多分いろいろあるんだろうなと思うんですけども。大体、こういった重大事故が1件起きますと、こういった軽傷の事故が29倍あると。ひやりはっとは、それの100倍ぐらいある、というのがハインリッヒの法則、とかいうことでいわれておりますけれども。それからすると、打撲系とかが年間2,000件くらいあってもおかしくないということでございます。

その結果どこでどんな、部位別にはどうなんだろうね、ということなんですけども、一番多いのが下肢です。脚ですね。その中でも大腿骨のところが、この325件中、約80パーセントが大腿骨だ、ということでございます。続いて頭部系、それと体幹、手とかですね。上肢は95件ということで、9パーセント近くですね。先程の打撲とかいうところが増えてくると、もうちょっと統計的に精度が増してくると、この辺がもっと増えてくるのかな、とは思います。ただ、これだけの数が起きている、というのはやっぱり無視できないところでございます。結果手術した人、1,000件の事故事例の中で手術した人が結果200人ほどいらっしゃるということです。1件あたり100万円の医療費と考えれば、これだけでも数億円のお金が出ていっているな、ということがあると思います。事故はでは、いつ起きているんでしょうね、と。先程の病院用のデータでは、深夜の時間帯のものは、全体の25パーセントくらいと出ておりましたけれども、似たような数字ではございます。夜8時から朝の8時の間、このエリアで起きている数が大体全体の35パーセントぐらいがこの時間帯で起きている、ということです。当然ながらこの時間帯というのは、発見が遅れたりしますし、結構実はお薬を飲んでて、睡眠導入剤とか、高圧剤とか、そういうお薬飲んでてバタっと倒れて、という事故がもう多いものですから、結構重症化しやすい、というところで、これはやっぱり夜中に起きている事故を防ぐには、どうしたらいいの、と。例えば、福祉用具を選ぶにしても昼間の状態で選ぶのではなくて、夜の状態を診て、用具の選定をしていただく。昼間は介護1とか、2の身体状況であっても、夜の状態は3とか、4とか、いうことになるかと思いますんで、そういった状況を診て、用具の選定をする。あるいは指導する、といったことが必要かな、とふうには思います。

■ ベッド周りでの事故の件数

はい、続きましてベッド周り、本題の方に入っていきたいと思います。事故の対策についてお話していきたいと思います。

どこでどのようにどんな事故が起きているか、ということなんですが、一番多いのは転倒・転落ですね。動く部分、ベッドの動く部分での挟まれ、それと誤操作による事故。サイドレール周りのこういったちょっとした隙間。こういったところで起きてますと。実際こういうふうに、レールとレールの間に首が挟まって亡くなる、というケースが最近は減りましたけども、数としては結構な数が起きております。

で、場所別に表すと、こういった数字になります。ボードとレールの間、これ3番は10件、この間に首が挟まって亡くなった方が10件いらっしゃる。レールとレールの間に挟まっての事故が26件。こういうふうなことです。こういった中、サイドレールの中、これに腕が入ったり、頭が入ったり、ということで、脚が入ったり、ということでの事故が25件起きているということです。実はこれは、先程の数からいうと、はるかに少ないですよね。介護施設、世田谷だけでもあんなに起きているのに、何かちょっと数字が違うんじゃない、というふうに思われるかと思うんですが、ちょっとそれご説明しておきます。実はこの数字を、すみません、取り始めたのが2007年からなんですけども、実はこの時、何が起きたかというと、消安法の改正がございまして、病院用ベッド、介護用ベッドは医療用具ではございません、日本は。この商品、生活用製品というふうに分類されまして、所謂、消安法が変わりまして、メーカーが事故の報告を入手したら、10日以内に重大事故、死亡事故とか、30日以上の入院というふうなものは、10日以内に消費者庁に報告をしなさい。これ以外の重傷事故じゃないものは、行政法人の通称NITEといったところで事故の調査をするんですが、こちらの方に報告しなさい、ということが義務付けになりまして、よって先程の出ている数字というのは、我々ベッドメーカーの方に報告があがってきた。
例えば、施設様からこんな事故があったよ、ということであがってきた内容の統計データでございます。だから、ちょっと先程の数とはちょっと大きく違うのは、そういったところがあるかと思います。

■ ベッド周りでの事故の実例

はい、では実際にレールの間に腕が入っていますけども、事例でお話しいたしますと、使用者は60歳、60代の方ですね。ベッドに腰掛けた状態で使用されてて、バランスを崩してベッドから滑り落ちた。このレールの間に腕が入った状態。滑り落っこちゃったので骨折しちゃったよ、ということです。普段からベッドの横にこう端座えて、座った状態をとって、右ひじをサイドレールの中に入れておられた。滑って落っこちゃったんで、骨折した、ということです。こういった方って結構多いですよね。端座位って不安なんで、やっぱりどうしてもレールを持つ方いらっしゃると思いますけど、たまたまこの方は中にこう、腕よりも入れやすい、手が中に入れやすいという状況もあってこういったことをやっておられたんだろうな、と思います。あるいは、ベッドの内側からサイドレール内部の空間に脚が挟まる。頭が床に着いた状態で真っ逆さまですね。という状態で発見されました。脚を骨折する重傷を負われた、ということです。この方の場合には、左の大腿骨骨折なんですが、サイドレールを乗り越えることがあったと。

今のベッドって、実は結構低いんですよ。ベッド展示されてますので、見ていただければ分かるんですけども、こう簡単に乗り越えられる高さまでベッド自体を下げる事ができます。これはベッドから転落した時の衝撃を抑えるとかいうこともあって、低床というものが一つの選定の理由にはなっていってるんですけども、結果こういうふうにベッドを乗り越える、あるいはサイドレールを乗り越えて降りる、こういったことができるような状況になってきております。そういったこともちょっと一因としてあるのかな、と。

では、ちょっと皆さん考えて欲しいんですね。ボードを乗り越えれる人、サイドレールを乗り越えれる人、この人にベッド必要でしょうか。ベッド必要でしょうか。認知症が進んでなかなかいってもよくわからないという方、あるいはこういうふうな行動をとれるような方、施設だから必ずベッドがいるというわけではありません。
例えば、こういった行動をとってなかなか指導しても聞かない方、じゃあ本当にベッドいるのかな、っていうことで、必要でないんだったら、ベッドを外すというのも一つの選択肢かな、というふうに思います。絵で申し上げるとこんな状態ですね。

ちょっとこれもよくあるんですけれど、ずーっとベッドを電動で上げていくと、ちょっと怖いなと思って、こうつかまれる方がいらっしゃるんですよね。ぱっと無意識にね。よく見ておかないと、この状態でガーっと上げていきますと、骨折します。人間の身体を2人分の体重、3人ぐらいがここに乗ってもずっと上がっちゃうくらいのモーターの力持ってますんで。腕の骨ぐらいは簡単に骨折しますんで、是非背上げする時、こちらの手がどこにあるのということは注意しながら上げていただければな、と思います。

続きまして、サイドレールとサイドレールの間で事故が起きております。この2本の間に首が入ってる状態で発見されましたと。事故当日、睡眠薬が服用するということで、ちょっと精神的にちょっと落ち着かない状態があったということが出ています。ぶっちゃけこの状態で発見されてますので、なぜこうなったのか、どういう動きをしてこうなったのか、というのは我々分からないんです。もう、結果しか見れてないので。

ただ一つだけちょっとわかりやすい事例があったので、ご紹介したいと思います。この方はこの間に首が挟まった状態で発見されたんですけども、食事しますよ、ということで背上げをした状態ですね。ちょっと職員の方が離れていてね、映像としてはこんな状態ですけども、背が上がった状態でお食事しますよと、背を上げました。お食事取ってきますね、と行かれた。戻ってきたらこの状態で、ずり落ちたんですね。こうずるっと落ちた状態で挟まれて亡くなっていたということでございます。

どうしても状態保持ができない方、介護重度でいきますと、4とか5の方々になるとこういうふうな事例が起きる可能性がありますので、ずっと背上げをした状態、特に70度とか上げると、やっぱりずるっと簡単にいっちゃいますね。例えば目を離す時も、部屋から出る時には、せめて30度くらいで押さえておくとか、いうところがあるといいのかな、と思います。

続きまして、サイドレールとボードの間での事故ですね。この方もこういう状態で発見されたんですが、やはりフットボードを乗り越えようとする行動が普段から見られたとか。枕元にいろんなボタン類、リモコンが置かれた状態でありましたよ、とか。例えば枕元にこういったティッシュとかリモコンがある、落っこっちゃったと。取ろうとしても、まさにこんな感じですよね、取ろうとして、するっと入っちゃったと。本当にこの隙間、狭いと抜けないんですよね。後程、ご説明しますけども、大体危険な隙間というのは、このペットボトルの大きさです。ペットボトルが大体直径6センチなんですけど、この隙間に首が入っちゃうと、なかなか抜けない。古いベッド、2007年、8年以前に作っていたベッドは、これがスコンと入るベッドが結構ございました。後程、詳しくご説明しますけど、そういったベッドにおいては、いろんな手段をもって対応していただきたいなと思います。後程、詳しくご説明いたします。

それとこういうのは、ベッドと壁の間に、まさにこんな感じです。入っちゃった事例。中途半端に10センチとか、20センチの隙間が危ないんです。だからもうベタっとつけるか、あるいはもう一気に離して最低50センチくらいは空けといて、車いすが入るぐらいですね。それくらいの隙間を空けていただくと、こういった事例はないんですけども。本当10センチ、20センチでもスコンと入っちゃうんです。入ると呼吸が、大きな呼吸ができない。小さな呼吸しかできないんで。

ある事例では、いつ入ったか分からないんですけど、発見した段階は半分窒息状態で発見された、ということもあります。こういった壁とベッドの隙間、これもよくあるところです。こういったサイドレール周りの重大事故の発生推移ということで、ベッドメーカーに報告があった事故情報でいきますと、平成7年消安法ができた時、ずっとこういうふうな推移がございます。その時々に応じていろんなことをやってきている訳なんですけども、またその中身をご紹介いたしますと、事故の約4件に3件は製品にはちょっと起因しない事故でして、ヒューマンエラーといいましょうか、ボードを乗り越えたりといった、ベッドの製品には起因しないところでの事故が、現実的には4件に3件くらい起きていると。製品に起因するところは15パーセントくらいしかないですよ、ということです。要因としてはいろいろございますね。身体機能、心理特性、認知症、機能障害といったものがございます。これは取っておきました。すみません。ちょっと前後変わってましたけれども、こう数としてこういうふうな状況ですね。

■ ベッド類での挟まれについての注意喚起

事故が起きましてので、協議会といたしましては、ベッド類での挟まれについてという注意喚起のものを出しました。介護ベッドここが危ないという、これもオリジナルのものを発刊、90万部この時発刊いたしまして、注意喚起を行っております。そういうことにおいてやってきたというところです。ポイントとしましては、製品をより安全にするためということで、JIS規格、日本工業規格、介護ベッドのこのJIS規格の改定を行っております。ちょっとご説明をいたします。

事故の概要にもありましたけども、こういったサイドレールとサイドレールの間。2009年に介護ベッドのJIS規格を改定いたしましたけども、それ以前はこの空間は6センチ未満にしなさいと。もしくは、23.5センチ以上に広げないという規格でした。結果、この6センチ未満というところで事故がちょっと発生していったということがございます。従いまして、2009年にJIS規格を改定いたしまして、このレールとレールの間にこういったものをポンっと乗せて、5キロぐらいの力でぐっと押さえた時に、サイドレールよりも上にくる状態はOKにしましょうと。でも、中にスコンと入っちゃうような状態。これはレールのグラつきによってもね、パっと見は5センチだからOK。でも、グラグラしてるとこれがスポッと入っちゃうことがありますね。ということがありまして、現実的には、もうほとんどのメーカーがこのレールとレールの間を大体4センチ以下ぐらいにはしていますね。というふうに2009年の時に改定をいたしました。同じくレールの隙間、中身の空間においては12センチのものが入らないようにしましょう、ということにしました。実は12センチの隙間があると、僕の頭は入らないんですけど、例えば、僕の目の前にいらっしゃるかわいいお嬢さんがいらっしゃいますけど、入っちゃうんですよね。12センチの空間があったら頭入っちゃうんですよ。多分間違いなく入りますね。はい。実はそういったところに頭が入って抜けないとか、窒息とか、いう事故が起きているんですね。ということもありまして、この12センチのものがレールの中に入らないようにしましょう、といったものが2009年以降、各ベッドメーカーから出荷されていってるということになります。

2015年に、実は去年の12月以降はちょっと変わりました。小さい方の、この6センチのこの軸が入っちゃだめよ、というところはそのままなんですけども、先程の23.5センチ、これが31.8に変わりました。ちょっと広がりました。実はこれなんでか、というと、国際整合といいまして、国際規格ですね。この日本のJIS規格も、国際規格であるICの基準にやっぱり則っていこうね、というのがありまして、こういって広げたんですけども。では、この23.5センチで何か日本人で事故起きてたか、というと起きてます。現実は起きてます。2メーター近い大きな方いらっしゃいますけども、そういった方だと、この23.5センチでは、この間に挟まっちゃうとか、いろんな事故が起きたんでしょうね。そういったことで31.8、というふうに変えました。
ですから、2009年のJIS規格が悪いとかいうことでは全然ございません。新しくなったから2009は危ないんだとか、いうことではございません。2009のJIS規格のものも安心してご利用できます。JIS規格を取ったベッドには、ちょっと資料の方にJIS福祉用具っていうマークがあろうかと思いますけども。こういったJISマークが必ず付与されておりますので、このマーク付き、JISマークが付いているベッドというのが一つの選定の時にご注意いただければな、と思います。

■ 動画「医療・介護ベッドに潜む危険」

はい、それではちょっと動画の方を見ていただきたいなと思います。

【映像開始】

利用者がサイドレールの隙間からこのようにして無理な体勢でベッドの下にあるものを取ろうとした時に、ベッドのボードとサイドレールの間に首を挟みこんで窒息してしまう、という事故です。このような事故を予防するため、必要に応じてボードとサイドレール、またはベッド用グリップの間を、クッション等で塞いでおきましょう。

ベッドの背中を上げた状態で目を離した間に、利用者が身体のバランスを崩し横に倒れてしまい、2本のサイドレールの間に首を挟みこんで窒息してしまう、という事故です。利用者から目を離す際はベッドの背を高く上げたままにせず、必ず元に戻しましょう。また、サイドレールとサイドレールの間を埋めるスペーサーやクッションを必要に応じ活用しましょう。

利用者の手や脚やサイドレールの中に入っている状態のまま、介護する方がベッドを操作してしまい、サイドレールで手や脚を挟んでしまう、という事故です。気付くのが遅れると骨折してしまう恐れがあります。介護する方がベッドを操作する時は、必ず利用者の状態を確認してから行ってください。特に死角になるベッドの反対側にある布団の類は注意が必要です。

自分でベッドから降りようとベッドの端に腰掛ける際、誤って脚をサイドレールの中にいれてしまい、そのまま転倒して骨折したり、自力では抜けなくなったりするという事故です。サイドレールの取り付ける位置を工夫するか、サイドレール全体を覆うカバーを活用しましょう。利用者がベッドから降りる動作をよく確認し、サイドレールの設置が必要か確認しましょう。

利用者がベッドの端に座っている時、お尻が滑りベッドから落ちた時に手がサイドレールの中に入ってしまい、骨折したり、自力では抜けなくなったりするという事故です。利用者がベッドに腰掛ける時、お尻と両脚がしっかり着いていないと不安定になり、身体が滑り落ちやすくなってしまいます。ベッドには深く腰掛けさせるようにし、両脚がしっかりと床に着くようにベッドの高さを調整しましょう。

【映像終了】

はい、ありがとうございます。この動画は、当協議会のホームページでも検索していただくと中にございます。今日ご覧になっていただいたのは、ショートバージョン。もっと詳しいやつも中にありますので、是非ご覧になっていただいて職場の教育とかに使っていただければな、と思います。

■ 事故を予防するために

事故を予防するためにということで、ここに載っておりますけども、その方の状況によって、やっぱり事故が起きるんですが、自力で危険な状態から回避することができないと思われる方、認知機能があるような方、肩麻痺の方、このような方々がベッドの背を上げていて、ずっと動画にもありましたけども、身体が横に倒れて隙間に挟まれる。手を伸ばして身体を支えきれず、隙間に挟まる。座っていて、端座えをしていて、お尻が滑り落ちて隙間に挟まる。ベッドから脚を降ろす時に手すりにひっかけちゃって転倒、転落する。手すりやボードを乗り越え、脚が引っ掛かって転倒、転落。ベッドの背を上げる時に手すりにつかまって、患者の手を挟んじゃうというふうに、こういったものが、その時の認知の状況、麻痺の身体状況、あと服薬、お薬の状態によって、掛け算で書いてますけども、本当に掛け算した状態で危険度が上がっていきますので、是非ご注意いただければなと思います。

今、動画に出ておりましたけども、こういった場合はこういったクッションを挟むとか、所謂これがすこっと入っちゃうところに関しては、こういったクッション挟むとか、スペーサーとかを挟むとかいうことをやってください。それと是非使ってらっしゃるベッドメーカーに問い合わせをしていただいて、このベッドに合うサイドレールはなんなんですか、と。隙間がJISに基準を満たしているものを紹介してください、ということで、是非装着の検討してください。
くれぐれも事故でこういうことがございました。ベッドはA社、サイドレールはB社。こうなると責任の所在はどこにいくか、というと、それを使っている施設側にいきます。是非こういったところになると、もう我々メーカーどうしようもないんですね。フォローのしようがございませんので、是非こういったところはご注意ください。必ずベッドのメーカー、ベッドがA社であればサイドレール類もA社のものを使う、ということを是非やってください。それとこういった事例と起案、レールカバー各社ご用意しておりますので、このレールカバーを着けていただければなと思います。せめて例えば、サイドレールを全てに付ける必要はないんですよ。例えば、麻痺している方だけでもこれを付けていただくと、随分事故減ると思います。麻痺していると、もう背上げされてて骨が折れてもわからないんです。そういう方、実はございました。弊社のベッドの事故でも、あるおばあちゃんが正月にお参りにいくよ、行こうね、と出掛けていって、ベッドから起きる時、何か左手が痛いなと思われたそうです。翌日になっても痛い。おかしいなって病院行ったら骨折してたということですね。そういう事例多々ございますんで、是非麻痺している側、それだけでもこのレールカバーを付けていただくと、随分事故は減ってくるかなとは思います。よろしくお願いします。

あとちょっと出てきておりませんけども、JIS規格の中にもございますが、このレールの高さ、これが一つちょっとポイントになってきます。レールがマットから、マットレスから上からサイドレールの上まで、これが22センチ以上にしなさい、という規定がございます。これ何かというと22センチ以下だと、寝た状態でも乗り越えることができちゃう。そういう高さですね。ですから、特にマットレスを15センチとか、18センチとか、厚いマットにされて、何かその上にこのお布団の、座布団とか、お布団とか、色んなものを乗せていかれると、この高さが段々段々短くなっていくんです。そうすると乗り越えて転落っていう危険性が高まってきますんで、この辺をご注意いただきたいところです。
それとこういったのは当たり前なんですけども、先程も申し上げましたけども、例えば、認知症の方ですね、ベッドから出ると危ない、といって、こうサイドレールを付けられるのはいいんですけど、結果乗り越えようとして事故が起きる、ということもあります。だから本当にそういう人にベッドが必要なのかどうか、というのも考えていただきたいな、というところでございます。

あとその他ですね、実例としても、これもよくあることですね。テーブル位置を確認せず、上げていって、熱いお茶が零れるとか、こういったのはもうお分かりいただけるとおりでございます。もうこれではなかったんですけども、ある在宅で大人がみんな出掛けた状態。小学生の子供さんが遊んでて、何らかの拍子にこのボードが下に下がってきて、ヘッドボードと背上げのボードの間に首が挟まった状態で亡くなっていた、という事故もございます。ですから、電動ベッドっていうのは非常に強い、人を何十キロってあるベッド自体を上げなきゃいけません。その上に人が乗りますから、100キロ、200キロのものを上げれる、ものすごい強いパワーを持ってます。モーター自体は。ですから、そういったところをご理解いただいて、もしお出掛けになって、子供さんたちだけが残るというふうなときは必ずコンセントを抜くとか、そういうことをやって事故を、この状態ですね、抜いていただいて、事故を起きないようにしていただきたいなと思います。

■ 電動介護を安全に有効活用する

今こういうことをいうと介護ベッドって危ないな、使うのやめようかな、とかいうんじゃなくて、是非、今こういうことで腰痛悪化して辞めていかれる介護職の方大変いらっしゃいますね。私もよくベッドの使い方の講習に行くんですけども、未だにですよ、未だにですよ。あなたベッドに寝てくださいと。そちらの方、この人を起こしてくださいというと、電動ベッドの講習会ですよ。そうするとですよ。10人中8人ぐらいはこうやって起こされるんですね。身体を使って、その方を起こされていますね。なんでボタンを押さないんですかね。ボタンを押すと、楽に上がっていきますよね。わざわざ腰を痛い状態で、この状態で起こす必要はないと思うんですけども。是非ですね、リモコン、電動機能があるんですから、有効に使っていただきたいなと思います。起こされる人もゆっくり時間を掛けて起きていきます。特に夜中、事故が起きますよね。血圧が変動してますよね。そういう時ですから、電動ベッドを使って、ゆっくり起き上がって、血圧の変動を抑えて、落ち着いて、その状態で夜トイレにいかれると、こういうことをすると結構事故も減ってくるかと思うんですけど。是非、腰をなるべく使わないで、楽な介護をする、というのは結果的には安全な介護に繋がっていくと思いますので、介護の在り方自体をお考えいただきたいな、と思います。まさにこのとおりですね。

また、実はこの電動ベッドが出て、20年近く経っているものもございます。電動でございますので、中にはこういったものが起きる可能性がございます。手元スイッチのボタンを押しても動かないとか、動いたり、動かなかったりとかですね。異常な音や振動がする。焦げ臭い臭いがするとか、電源プラグ、コードが曲がってたり、破損したりして、こういったことが起きている可能性がございますので、特に古いベッドをお使いの場合には、是非ご確認をいただきたいなと思います。先程、申し上げましたけども、本当に強いモーターを使ってます。力のあるモーターを使ってますので、危ない時には本当に危ないですね。是非ご注意ください。それと、これ、新品のベッドでもそうなんですけど、僕、お問い合わせでベッドが動かない、というお問い合わせの半分くらいはコンセントが抜いてあったりするんですけど、その次に多いのがこれなんですね。電源コードのプラグが曲がっていたり、見るとこう、くにゃっと曲がっていたりしてます。あるいはベッドがこういうふうな構造で上がったり下がったりしますので、鉄と鉄の間にケーブルが挟まれたり、それで半分断線してたり。大体故障の7割、8割はそういったケーブル絡みでございますので、是非この辺のところを確認していただきたいなと思います。点検のお願いでございます。もし何かあったら、必ず使うのは止めて、コンセントを抜いて、メーカーにクレームの方、いただきたいと思います。

あと、今日お渡ししました黄色のパンフレット、今ご説明したようなことがいろいろこの黄色いパンフレットにも凝縮しておりますので、後々ご覧になっていただいて、ご活用いただきたいなと思います。この裏表紙のところに、わざわざ6センチ、12センチのところ色付けしております。ですからこれでですね、あ、ちょっと危険な隙間だよねとかね。あ、12センチあるよ、とかね。そういったところでも、お使いいただけるようにこういったものを工夫しておりますので、是非ご利用いただければな、と思います。

あと、ホームページの方にも安全点検チェック表というのもございますので、こういったものを使いながら、今のベッドの状況はどうなんだ、というご確認をしていただければ幸いでございます。

はい。以上で駆け足でいきましたけれども、お分かりになりにくい点ございましたら、次の講演会がありますので、何らかQ&A、質疑応答ができない、ということでございますので、ちょっと残っておりますので、何かお聞きになりたいことがあれば、こちらの方にお越しいただければなと思います。ご清聴ありがとうございました。

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(敬称略)

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