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CareTEX2016 専門セミナー特別配信 No13

【タイトル】
 省コスト&大空間も実現!高齢者住宅における中大規模木造建築のすすめ

【セミナー概要】
 昨今、中大規模木造が増加している背景と理由、メリットや建設コストを抑える方法と、
 ポラテックオリジナル商品を使用した施工事例などを交えて、高齢者住宅においての活用方法について、講演します。

【講師】
 ポラテック(株)プレカット営業事業部 営業推進部 非住宅推進課 課長 下山 順

(敬称略)

※この動画及び講演内容は、2016年3月17日に行われた、CareTEX専門セミナー(於:東京ビッグサイト)
 での講演を収録・記録したものです。
※この動画及び講演内容の無断転載・複製を禁じます。
※当社は、当ページのコンテンツ(動画及び全文)の正確性の確保に努めてはおりますが、
 提供している情報に関していかなる保証もするものではありません。

専門セミナー 講演内容全文

■ 司会による紹介

皆様、本日はCareTEX専門セミナーにご参加いただきまして、ありがとうございます。
これより、セッションナンバー21、施設開発コース「省コスト&大空間も実現!高齢者住宅における中大規模木造建築のすすめ」の講演を開始いたします。

はじめに、当セミナーの講師の方をご紹介します。ポラテック株式会社プレカット営業事業部 営業推進部 非住宅推進課 課長、下山順先生です。下山先生は主に住宅の企画・設計・管理・請負業務、プレカットなどを展開する、ポラテック株式会社プレカット営業事業部でご活躍されています。当社のプレカットは年間約100万坪で日本一の施工の実績を誇ってらっしゃいます。また、近年、当社は非住宅木造についても積極的に推進しており、一昨年には非住宅木造を推進する、専門セクションを設けられたそうです。下山先生は、そのセクションの課長に就任されています。

本セミナーでは、昨今、中大規模木造が増加している背景と理由、メリットや建設コストを抑える方法などをご紹介いただきます。また、ポラテックオリジナル商品を使用した施工事例などを交えて、高齢者住宅においての活用方法をご説明いただきます。それでは下山先生、よろしくお願いいたします。

■ 中大規模木造建築の背景

本日はお忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございます。ポラテックプレカット事業部非住宅推進課の下山と申します。
本日はですね、「高齢者住宅における中大規模木造の住宅におけるすすめ」と題しまして、当社の中大規模木造や非住宅分野への取り組みをご紹介させていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

その前にですね、ポラテックについて簡単にご説明させていただきます。ポラテックは、母体は、ポラスグループという、埼玉県を中心とする住宅メーカーです。そこで、年間約3,000棟ぐらい注文住宅、分譲住宅合わせて販売させていただいております。その中で、ポラテックは生産部門を担当するセクション、プレカットや工事を担当するセクションとなっております。

それではまず、中大規模木造建築物の背景を説明させていただきます。なぜ、木造建築なのかということなんですけれども、日本人の歴史は、まさに、木を利用してきた歴史と、文化、と言っても過言ではありません。古くは縄文時代から現代に至るまで、木をさまざまな場所でいろんな状態で木の特徴を活かしてうまく利用してきました。古代においても、こういった石斧なんかの柄には硬い薮椿などの木を使ったりだとか、こういった狩りをする弓には、樫の木なんかを使ったりだとか、木の特徴をうまく活かして日本人は利用してきた、といった歴史がございます。
その中で当然建物も木造建築物が圧倒的に多く建てられてきました。また、住宅以外においても、これ出雲大社のイラストなんですけれども、こういった大きな建物もたくさん建てられてきました。そういった木の特徴をうまく使いまして、歴史的に代表的な五重の塔や、姫路城、東大寺大仏殿など、大きな建物も多く建てられてきました。単に大きいというだけではなくて、日本は地震大国ですから、地震にも非常に強い、構造的に非常に優れた建物です。ヨーロッパなんかにおいては、圧倒的に石造の方が多いんですけれども、日本建築の特徴としましては、まさに木造に終始してきた、ということが言えると思います。

それでは、木造建築物の経緯をご説明させていただきます。こういった大昔から中大規模木造たくさん建てられてきました。明治以降も新しく入ってきた建築材料、コンクリートや鉄やレンガを使って中大規模木造たくさん建てられてきました。庁舎や学校、工場など、明治の時代においては、たくさんそういった大きな建物も木造で建てられた、という経緯がございました。それが、昭和25年、木材利用促進不燃化に関する決議が施行されまして、この流れが大きく止まってしまった、という背景がございます。その9年後、昭和34年1959年に伊勢湾台風の大きな被害もありまして、日本建築学会は、防火台風水害の為の木造禁止の方針を打ち出しました。これで、戦後しばらく中大規模の木造化の流れが止まってしまった、という背景がございます。
平成22年に、2010年に公共建築物等木材利用促進法が施行されました。この法律によってこの流れが大きく変わった、ということが言えます。この法律は、基本的には、低層の公共建築物であれば木造が義務づけられたという法律なんですけれども、この法律の背景としましては、今、階層別構造別平成25年度の新築着工面積を見ていただくと分かりやすいんですが、左が住宅を示しております。右が非住宅分野を示しております。上から6階建て、4階建て、5階建て、3階建て、平屋2階建て、下に行くほど低層を示しております。住宅においては、3階建て以下の建物においては、このブルーの部分ですね。6割が木造建築物、それに対して、非住宅分野においては、3階建て以下においてもわずか1割以下しか木造がありません。この部分を木造に置き換えたいという国の思惑があって、この法律が施行された、ということが言えます。

この公共物等木材利用促進法なんですけれども、ちょうど戦後植林された材木が今、伐採期を迎えております。その森林資源を有効活用することを目的にこの法律が作られました。日本は狭い国土で資源も乏しいんですが、国土に占める森林面積においては、世界第2位という非常に世界有数の森林大国ということも言えます。この法律によって後押しされるように、構造設計基準の整備ですとか、耐火基準の緩和なんかも行われております。昨年6月に施行された建築基準法の改正もその一環ということが言えます。

それでは、中大規模木造プレカット技術協会についてご説明させていただきます。
この法律の流れを受けまして、当社も2年前、5月に中大規模木造プレカット技術協会を、プレカットメーカー数社と、東大の稲山先生、という方がいらっしゃるんですけれども、さらに中大規模木造化を推進することを目的に、この協会を立ち上げました。昨年の3月にJISA3301、木造校舎の構造設計標準、というのが改定されたんですけれども、この協会では、そのJISの改定作業のお手伝いをずっとしてきました。そのJISには、大スパンを飛ばせるトラスだとか、普通、住宅だと5倍までしかない耐力壁が15倍といった、高倍率の耐力壁が乗っていて、当然、木造の学校以外にもそれを利用することができます。つまり、この JIS によって今後ますます中大規模木造が増えていきます。この協会では、在来軸組工法のツーバイフォー協会のような位置づけの会になれればと思いまして、今、活動してるところです。設計者が誰でも簡単に木造設計を行えるように標準図を整備したりだとか、品質基準をみんなで話し合って決めたりだとか、というようなことを今現在行っているところです。

非住宅木造建築物の着工推移について、ご説明させていただきます。2009年においては、3百7万平米だったのに対して、2014年度においては、4百2万平米と30.1パーセントも増加しております。これは、30戸の一戸建て住宅に換算しますと4万戸相当にも匹敵する市場規模となっております。今後、住宅着工が落ち込む中で、この分野にこういった理由で非常に注目が集まっている、といったことが言えます。また、時代背景としまして、低炭素化社会づくりといったことも世界的に重要な課題になってきております。建築分野における二酸化炭素排出量は、全排出量の41パーセントも占めています。日本政府も2030年には、2013年比で26パーセント二酸化炭素排出量を削減する、という目標を掲げてますんで、二酸化炭素排出量の少ない木材をさらに利用促進するような規制や決まりも、今後もっと多くなってくるのかなということも予想できます。また、ヨーロッパなんかにおいては、まず建物の構造を検討する際には、まず木造を考えるといった、ウッドファーストという考え方が主流なりつつあります。まず、木造を考えてだめなら、鉄骨造、鉄骨造がだめなら、RC造といったような考え方が主流になりつつあります。

■ 中大規模木造建築物のメリット

それでは、中大規模木造建築物のメリットを説明させていただきます。我々が考えている、中大規模木造のメリット、大きくは三つございます。

まずは、1番目に軽いといったメリットがございます。30坪の2階建ての一戸建ての住宅に換算しますとRCでいえば150トンと。S造だと大体その半分ぐらいの70トンぐらいの重さになります。木造ですとさらにその半分の30トンぐらいの重さとなります。木造は他の構造に比べて圧倒的に軽いといったメリットがございます。つまり、地盤改良にかかっている費用や基礎にかかる費用が大幅に抑えることが可能です。

2番目に、早いといったメリットがございます。木造は、プレカットCADで入力されたデータを工場に送って、既に用意してある乾燥剤や集成材を加工する。非常に工期が短くできる工法です。鉄骨造やRC造は、工期半年から1年以上かかるものが多いんですけれども、木造であれば、そういった工期の短い建物に対しても短縮できる可能性がございます。

3番目に、木造のメリットとしましては安い、といったことが挙げられます。まずは、法令上の減価償却期間が短いといったメリットがございます。これは、飲食店を例にとった例なんですけれども、RC造41年に対して木造だとその半分の大体20年の減価償却期間となります。つまり、経費として多く計上できますんで、税金が抑えられます。その分、結果的にキャッシュフローが多くなるといったメリットがございます。ただ、法令上の減価償却期間が短いだけで、実際の耐用年数が短いわけではありません。また、建築費も非常に安く抑えられます。これは横浜市の公共建築物の指針なんですけれども、2,000平米以下であれば、木造の方が安く建てられる、といったような結果となっております。

その他にも木造、たくさんメリットがございます。木は、皆さん、非常に燃えやすい材料だ、と思われてる方も多いと思うんですが、実は、鉄よりもある意味では、火に強いといったことも言えます。鉄は400度を超えると急激に強度が低下してしまいます。ですが、木材は、燃えても表面が炭になって中に火が燃え進むことはありません。ですから、きちんと設計された木造は火に非常に強い、といったことも言えます。

また、木は他の建築材料に比べて弱いんじゃないの、と思われてる方も多いと思うんですが、木の特性をうまく使えば、決してそんなことはございません。例えば、同じ大きさのコンクリートと木を比べますと、ほぼ同じ圧縮強度になります。同じ圧縮強度にもかかわらず、比重は、わずか5分の1と非常に軽くてだから強い、丈夫な材料だ、ということが言えます。また、木は非常に健康にいい、体にいい建築材料だっていうことも言えます。これは、有名な実験なんですけれども、木の箱、鉄の箱、コンクリートの箱でネズミを育てるといった実験がございます。コンクリートの箱、鉄の箱で育てたネズミは、寿命も短くて育ちも悪いといった結果になるんですが、木の箱で育てたネズミは、寿命も長くてしかも発育もいい、といったような結果になります。

また、木材は、非常に断熱性能のいい建築材料です。たくさん小さな見えない穴が開いてますんで、断熱材と同じような効果を発揮することができます。また、木材は、優れた調湿作用がございます。105角の3メートルの柱1本で、ビール瓶大瓶1本ぐらいの調湿作用があります。また、小さい木に無数の穴が開いているために音をほどよく吸収する、といった特徴もあります。ですから、こういったコンサートホールなんかにも用いられますし、また、適度に音を振動させるといった特徴もございますんで、こういったギターやバイオリンなどの楽器にも用いられております。

■ 構造材に使用される材料

それでは、構造材にどんな材料が使われているか、ということについてご説明させていただきます。

代表的な材料としましては、この3つございます。まずは、構造用製材。いわゆる無垢材。丸太を削り出して、そのままの材料のことをいいます。その材料を3センチぐらいの厚みに切って、そのひき板を貼り合わせたものを集成材と言います。また、その丸太を薄く桂剥きにして、その薄い板を接着剤で貼り合わせたものを、単板積層材といいます。こういったものが、今、木造建築物には用いられております。こういった感じでひき板を貼り合わせたものが集成材。今話題のCLTは、それを繊維方向、直交させて貼り合わせた物ということになります。また、LBLはこういった木を薄く桂剥きにして、それを横方向にボンドで貼り合わせていった物が、このLBLということになります。また、木の強度や接着剤の種類など、いろんな建築材料が用意されておりまして、特徴を活かしてそれぞれ適した場所に使用されております。

■ プレカットとは

プレカット、という言葉なんですけれども、あんまり建築関わってない方はちょっと聞き慣れない言葉だと思いますんで、簡単に説明させていただきます。昔は、木造軸組住宅といえば、大工さんが手で木を刻んで組み上げてくといったようなことをやっておりました。それを今は、プレカット加工機、機械で全自動で加工する。入力したデータを元に全自動で加工する。こういった登り梁とか、材料と材料が斜めにぶつかる部分のこういう木の仕掛けですとか、非常に複雑な加工もこの機械で対応することが可能です。1989年ぐらいにおいては、プレカット率、というのはわずか45パーセントぐらいだったんですけれども、今現在では90パーセントを超えるものがプレカット加工されております。

また、在来軸組工法、発展を遂げまして、こういった今ご覧になっているような金物の接合方法もいろんなメーカーからいろんな種類のものが発売されております。こういった金物によって、構造強度を高めたりだとか、また、工期を短縮するといったようなことが実現できております。

■ コストを抑える方法

それでは、木造建築物においてコストを抑える方法、説明させていただきます。

まずは、一般流通材を使用すること。今ご紹介したように、住宅用のプレカット加工率、今現在90パーセントを超えております。ですから、この住宅用に流通している材料をうまく使うことで、非常にコストを安く抑えることができます。

2番目に、住宅用プレカット加工機をうまく使う。手加工をすると当然時間もかかりますし、精度も悪くなります。今、普及している住宅用プレカット加工機を使うことで、非常にコストを削減できる可能性がございます。今まで中大規模木造といいますと、大断面集成材を使ったような特殊な方法しかなかったんですけれども、当社がご提案したいのは、そういう住宅用に使っている一般流通材を使って、住宅用プレカット加工機を使って安く造る、ということを積極的に推進させていただいております。
設計者じゃない、建築に携わってない方にとっては分かりづらいんですが、柱直下率、壁着火率を考慮した設計とする、ということも重要な課題の一つです。つまり、地震に耐える耐力壁の下にまた耐力壁を設けるといったようなことも必要になります。また、910モジュールの設計とすると。住宅用に流通してる具材が、サッシにおいてもフロアーにおいても、構造材においても910モジュールのものがほとんどです。ですから、この具材をうまく使うことで、コストダウンを図ることが可能です。また、調達可能な材料を選定する。フレキシブルな材料選定。ある程度幅を持たせた構造設計が必要となります。よく、国産材だけで設計された建物、というのは、国産材そもそも、量が確保できない可能性もありますんで、そういった部分で非常に金額が高くなってしまう場合もございます。ですから、柱は国産材だけれども、横方向に使う横架材、梁に関しては外材を共用するといったような設計をすることで、安くできる可能性がございます。

それでは、木造化することでコストダウンできる規模について説明させていただきます。まずは、4階建て、3階建て、2階建て、1階建てとありますが、木造、普通に在来軸組工法でいいますと、3階建て以下の物でないと設計するハードルが高くなってしまいます。ですから、3階建て以下、さらにはより低層であれば、一般流通材を使って建てることが大きなメリットにつながります。
また、建物の大きさとしましては、3,000平米以下。3,000平米を超えてしまいますと、耐火構造となってしまいます。耐火構造となりますと、石膏ボードを21ミリのボードを二重に貼ったりだとか、非常に施工も大変ですし、重たくなってしまいます。ですから、わりかし規模の小さめ、3,000平米以下の、より低層な建物であれば、コストメリットを出すことが可能です。

S造から木造に変えることで、コストダウンできる建物を、ここに5つまとめさせていただいております。
まずは1番目に、今ご説明させていただいた通り、準耐火建築物以下の建物、耐火要求があまり高くなってしまうと、現状の木造の規制により非常に建物重くなってしまいます。ですから、耐火建築物以下の建物が望ましい。

2番目に、階高4メートル以下。これは一般に流通している柱が、3メートル材か、4メートル材になります。ですから、この柱をうまく使うことで、コストダウンを図ることが可能です。

3番目に軟弱地盤。木造は非常に軽くできますんで、地盤の弱い場所では地盤改良にかかる費用が、他の工法に比べて圧倒的に抑えられます。場合によっては、鉄骨造で計画されてた建物を木造に置き換えると、地盤改良をしなくてもいい、といったようなこともございます。

4番目に短い工期。5番目に中小スパン。
平屋、小屋でいいますと、大体スパン16メートル以下ぐらい。2階の床でありますと、スパン8メートル以下ぐらいであれば、木造化した時に、よりコストメリットを出すことが可能です。ただ、うまく工夫すれば、木造20メートルでも30メートルでも飛ばせます。一般流通材を使っても。ただ、あくまでここに載せさせていただいているスパンは目安と考えていただければいいのかな、と思っております。

当社の非住宅木造の割合について、簡単にご説明させていただきます。これは、当社でプレカットをしている建物に対しての非住宅分野の割合です。全生産量の大体7、8パーセントぐらいが毎月非住宅分野になっております。その中で、最近では、福祉施設が大体4割ぐらいを占めている、といった現状がございます。これは、年々増えてきているといったことが言うことができます。

■ 中大規模建築物の施工事例

それでは、一般流通材を使って住宅用プレカット加工機を使って安く建てた建物の中大規模建築物の施工事例をご紹介させていただきます。ここから先は、お手元の資料にないんで、画面の方で見ていただきたいと思います。まずは、デイサービスなんですけれども、静岡県の浜松市に建ったデイサービスで、スパンが9メートル飛んでおります。当初、これ鉄骨造で計画されてたんですけれども、予算の関係もありまして、施工会社の方からご相談いただきました。そこで、ちょっと今スライド分かりづらいんですが、こういった当社の研究所で解析したオリジナルトラスを入れることで、9メートルスパンを飛ばすことができました。これが実際の施工の写真となります。

次に店舗兼事務所、説明させていただきます。これは、軒高6メートルで、一見何の変哲もない建物なんですけれども、一部2階建てがあるんですけれども、ほぼ吹き抜けておりまして、到底一般流通材を使っただけでは建てられない規模の建物です。この建物を耐力壁をうまく配置しまして、2階の床レベルにキャットウォークを回して、このキャットウォークによって地震の時力を吸収するような構造にしまして、こんな感じですね。キャットウォークを設けまして、この軒高6メートルの吹き抜けている建物を一般流通材だけで作ることが出来ます。

それでは、畜舎を説明させていただきます。これはスパン10メートル、7メートルスパンございまして、これも鉄骨造で建てられた、元々畜舎だったんですけれども、一昨年の大雪で潰れまして、施工会社の方からご相談受けまして、木造化を提案して、採用していただいた建物です。
これも木造化することで約2割コストが落ちたといったような試算となっております。これが実際現場の写真となります。

結婚式場、説明させていただきます。これは今、相談受けてる最中の建物なんですけれども、式場と会食場が約10メートル、こういった大きな空間が1階に配置されてまして、2階にもまた式場と控室のような空間がございます。到底、一般流通材だけでは作るのが難しい規模の建物なんですけれども、この2階の壁、屋根、まるまるトラスといったような構造にしまして、この10メートルスパン。1番短いところでも8メートルスパン、これを飛ばしております。また、これをトラスとして、屋根のかじや床のかじを支えるんですけれども、地震が起こった時に横にかかる力、水平力を抑えるような耐力壁の働きも兼ねている壁、となっております。

それでは、美容院を説明させていただきます。これは1階が美容室で見上げると上の部分が吹き抜けてる、といったような間取りになってるんですけれども、9メートルスパン飛んでまして、まるまる床が乗ってくる、といったような平面計画となっております。これも木造だと一般流通材を使っただけだと到底できる規模ではないんですけれども、この2階の壁をまるまるトラスといったような収まりで、当社の研究所で解析したトラスなんですけれども、こういったトラスでこの9メートルスパンを飛ばしております。

それでは店舗、説明させていただきます。これは15メートルスパンを飛んでる平屋の店舗なんですけれども、これも当初、鉄骨造で計画されてた店舗なんですけれども、当社の研究所で開発したオリジナルトラスを用いまして、こんな形で15メートルスパンをこのトラスで飛ばしている。

それでは公民館、説明させていただきます。これも8,190ミリ、約8メートル、スパン飛んでおりまして、その部分にこういった当社の研究所で開発したオリジナルトラスで飛ばす、といったような構造になっております。

それではガレージ兼事務所、説明させていただきます。これは、ちょっと画面小さくて見づらいんですけれども、この薄塗りした部分がガレージになっておりまして、車を20台停められるスペースとなっております。この部分を到底、一般流通材を使った木造だと難しいんですけれども、当社の研究所で開発したこのトラスを用いまして、この空間を構成しております。このパースを見ていただくとイメージ湧きやすいと思うんですが、こういった感じでトラスで飛ばして、当社の研究所で開発した、幅狭の耐力壁を均等に配置して、この空間を実現しております。

それでは製菓工場、説明させていただきます。これも当初、鉄骨造で計画されてた建物だったんですけれども、8メートルスパンを飛んでまして、この建物においては、当社の研究所で開発した、この三角形の金物を用いまして、この三角形の金物を一般流通材で挟み込む。これを梁にして、こんな感じにこれで8メートルスパンを飛ばすことが可能です。こういった感じにこの木の材料の間に、鉄製のこの三角形の金物を入れることで、非常に加工点数も少なくなります。これによって、大幅に今までよりもコストダウンができるようになっております。

それでは、自動車修理工場の事例をご説明させていただきます。これも今ご紹介した、この三角形の金物を用いた現場となっております。9メートル、9メートルが飛んでる空間が二つ続いてるんですけれども、この空間を当社の研究所で開発したこのオリジナル平行弦トラスで飛ばす、といったような建物となっております。現場も非常に簡単に施工することが可能です。工場で半分ずつに組み立てた材料を現場に搬入します。現場でこの真ん中部分をつなぎ合わせまして、レッカーで吊り上げて譲渡していく、といったような作業手順になっております。これ鉄骨造ですと、当然、重たいものを持てる重機も必要になってくるんですけれども、住宅を建てられるぐらいのレッカーだけで、この建物を建てることが可能です。場合によっては、人力だけでも建てることができます。真ん中部分、柱をそのまま伸ばして仮柱にしまして、組み上がった後に切り落とすといったようなこともすることが可能です。

それでは教会の事例をご説明いたします。これは、10メートルスパンを当社のオリジナルトラスで飛ばした、という事例になります。これが実際の現場の写真なんですけれども、こういった感じで、こんな複雑な形状の屋根型にも研究所で一棟一棟解析しますので、対応することが可能です。

もう一つ、教会の事例をご説明させていただきます。これは、8メートルスパン飛んでおりまして、当初、別の構造設計者の方がいらっしゃって、こういった普通の下弦材のあるトラスを設計されてる建物です。これを施主の方が教会ということもあって、どうしても下の材料を何とかならないかと、こういった広々とした勾配天井にできないか、ということをご相談いただきまして、当社の研究所で開発した、この幅狭の耐力壁と登り梁を組み合わせまして、この合掌構造を実現することができました。木造詳しい方だとご存知だと思うんですけれども、なかなか在来工法で、こういった合掌構造をつくるのは非常に難しいです。どうしてもこの棟の部分を止める方法がありません。実際こういった加工形状にしても、棟部分が開いてしまう、といったようなことなんですけれども、当社のこの耐力壁をうまく使って、ここで右と左の部分がそれぞれ自立したような構造になっています。これが実際の写真となります。こんな感じですね。

それでは集会所の事例をご説明させていただきます。これも今ご紹介したように、当社のオリジナル耐力壁、幅狭の耐力壁と登り梁を組み合わせまして、この八角形の空間を実現しているといったような事例です。これは当初、まるまる勾配天井といったような収まりだったんですが、計画が変わりまして、こうフラットに天井を張るということになった為に、下に材料は入れてるんですけれども、実際にはこの材料がなくてもこの空間を実現することが可能です。これが実際の現場の写真になります。ちょっと写真分かりづらいんですが、パースを見ていただくと、イメージ掴みやすいと思います。

それでは、JISA3301、木造校舎の構造設計表示に載っているトラスについてご説明させていただきます。まずはトラス、特注加工。これは、そのJISが改定される前によく用いられてた形状のトラスなんですが、いわゆる特注の金物を構造設計者の方が自分で考えて手で加工して作るといったようなトラスとなっております。

次にですね、JIS改定前の基準のトラスです。これは、こういった大工さんが一見加工しやすい形にはなっているんですけれども、実際には今、こういった加工ができる大工さん、職人さん非常に少なくなってきております。ですから、こういった職人不足を払拭するためにもJISを改定するという必要があったのかなと思います。これが、改定後のJISのトラスの写真となります。このトラスは、住宅用に使っている一般流通材を使いまして、かつ住宅用のプレカット加工機で端部すべて加工できるような加工形状となっております。こういった住宅用プレカット加工機で角穴を開けて、ボルトで引っ張るといったような加工を入れております。また、これは追掛大栓という加工形状なんですけれども、これは住宅用プレカット加工機ではできないんですが、今、この加工の代わりに腰掛け鎌継ぎっていう住宅プレカットで加工できる形状にしまして、実験を行ったりしているところです。実際のこれが建て方の写真になります。トラスを地組して、2フレームずつ横方向を母屋材でつないで安定させます。これをレッカーで吊り上げまして、置いてくといったような作業手順となります。こういった感じですね。本当に小さな30坪ぐらいの住宅を建てるだけの職人さんで、こういった規模の建物でも建てることが可能です。

実際、そのJISを使った事例になりますが、スパン11メートルのこれは倉庫の写真になります。こういった大空間を一般流通材だけを使って安く作ることができる。かなり今まで考えれば、設計者でもこういったものを見ると非常にびっくりされる方はたくさんいらっしゃいます。また、これもJISのトラスを使った施工事例の倉庫となります。12メートルスパン、最大飛んでる箇所があるんですけれども、その空間をこういったトラスを用いまして、飛ばすことができております。

それではまた、事務所の事例をご紹介します。これもJISのトラスを使った一例なんですが、最大12メートルスパン飛ばしておりまして、こういった非常に見せてもかなり見栄えのいい形状のトラスとなっております。

■ これからの中大規模木造

それでは、これからの中大規模木造についてご説明させていただきます。まずは工法別比較一覧、この表に工法別にまとめさせていただきました。
S造、今まで中大規模建築物っていいますと、そういった大断面集成材を使ったような、特殊な工法が多かったです。また今、最近話題になってる、CLTを使った工法。また、在来軸組工法とよく比べられるツーバイフォー工法。今までご紹介した在来軸組工法。
さらには、在来軸組工法にプラスアルファの工法、つまりこれは今ご紹介したような当社の研究所で開発したようなオリジナル商品を使ったりだとか、このJISで開発されたトラスを使ったりだとか、というような工法のことを示しております。この工法別に比較したものをレーターチャートに表してみました。在来軸組工法と、この当社のオリジナル商品やこのJISのトラスをうまく使うことで、圧倒的にコストが下げられます。一般流通材を使って住宅用プレカット加工機を使った工法であれば、他の工法に比べて圧倒的に安くできます。
また、安くできるだけではなくて設計の自由度もかなりございます。また、大スパンを飛ばすことも問題ありませんし、高倍率の耐力壁もありますんで、大開口を開けることも可能です。また、他のS造やRC造に対して、決して地震に弱いわけではりません。耐震性もしっかり担保された建物を設計することが可能です。

木造建築物の未来なんですけれども、少子高齢化、人口減少の中で、今後スマートウエルネス住宅の位置付けが非常に重要になってくるのかな、と我々考えております。高齢者や障害者や単身者、ディンクス、夫婦世帯や多様な世帯が一同にコミュニティーを形成して暮らしていく。そういったスマートウエルネス住宅が今後の日本にはもっと多く必要になってくる、と思っております。コミュニティーを活性化させるためには、やはり、高層建築物よりも圧倒的に、低層の建物の方が適しています。低層の建物には、やはり、一般流通材を使って住宅用プレカット加工機をうまく使って建てる、在来軸組工法が最も適しております。ですから、今後、こういった福祉施設を検討される際は、まずは、低層で建てられないかと。次に、工法は在来軸組工法でできないか、ということをご検討いただければと思っております。以上になります。
ご清聴どうもありがとうございました。

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