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CareTEX2016 専門セミナー特別配信 No1

【タイトル】
 リビング・オブ・ザ・イヤー2015大賞受賞!最期まで"その人らしい暮らし"を支える特養の挑戦

【セミナー概要】
 ばらばらなケア、小集団ケアからの脱却等、施設立ち上げから今日に至るまで、
 様々な課題をどのように克服してきたのか、その道のりについて講演します。

【講師】
 (福) 櫟会理事長・特別養護老人ホームくぬぎ苑施設長 三木 康史

(敬称略)

※この動画及び講演内容は、2016年3月16日に行われた、CareTEX専門セミナー(於:東京ビッグサイト)
 での講演を収録・記録したものです。
※この動画及び講演内容の無断転載・複製を禁じます。
※当社は、当ページのコンテンツ(動画及び全文)の正確性の確保に努めてはおりますが、
 提供している情報に関していかなる保証もするものではありません。

専門セミナー 講演内容全文

■ 司会による紹介

皆様本日は、CareTEX専門セミナーにご参加いただきましてありがとうございます。
これよりセッションナンバー13、施設運営コース「リビング・オブ・ザ・イヤー2015大賞受賞!最期まで“その人らしい暮らし”を支える特養の挑戦」の講演を開始いたします。
はじめに、本セミナーの講師の方をご紹介いたします。社会福祉法人櫟会理事長、特別養護老人ホームくぬぎ苑施設長、三木康史先生です。
三木先生は特別養護老人ホームに対し、今でも収容施設と思っている方が存在する現状に対し、そのような誤解を解き、特別養護老人ホームが暮らしの場、住まいであることを、すべての方に認めてもらいたいという強い気持ちで10年間走り続けてこられました。その支えとなったのがリビングケアであり、全職員で作り上げた法人理念とのことです。
本セミナーでは、ばらばらなケア、小集団ケアからの脱却等、施設立ち上げから今日に至るまで、様々な課題をどのように克服してこられたのか、その10年間の道のりをお話いただきます。それでは三木先生、よろしくお願いいたします。

■ リビング・オブ・ザ・イヤー応募のきっかけ

皆さんこんにちは。ただいまご紹介に預かりました社会福祉法人櫟会、理事長と施設長を兼務しています三木と申します。
私もう本当に噺家のプロでも何でもなくて、本当に片田舎の一法人の管理者っていう立場なので本当にどこまで皆様に上手くお話ができるか、本当に今ドキドキしています。その辺はぜひぜひご容赦いただければと思います。一生懸命させていただきますのでよろしくお願いいたします。

昨年リビング・オブ・ザ・イヤーっていうのがありまして。展示ブースも今日ありますけれども、あれに応募したきっかけっていうのが、どうしてもまだまだうちの田舎は特別養護老人ホームに入るっていうことが、とても後ろめたさを感じられる家族がまだまだいらっしゃいます。どうしても収容の場っていうイメージがなかなか拭いされてないのが現状なんですね。
そういう中で10年の節目でもあったので、じゃあ一回、有料老人ホームがほとんどだったんですよ、応募したところがですね、リビング・オブ・ザ・イヤーに。じゃあ、特養もいいだろうということで応募しまして。
最終まで、一次審査、二次審査、そして最終は、東京の日経ホールという所でプレゼンをしまして、7ホームが残ったんですよね。で、100人の一般の選考委員さんがいらっしゃって1人1票を持って投票形式でやるっていう、非常に公平な審査で。ホームページを開いていただいたら、誰がどこに投票したかっていう、そこまで出していますので。本当にそういう中で特養、うちだけだったんです。あとは入居金が3,000万とか5,000万とかするような有料老人ホームばっかりだったんですね。本当に場違いな思いをしたんですけれども。
それがどういう理由かちょっとわかりませんけれども大賞をいただきまして、今日この場に立たせていただいております。偉そうに私がお話する立場ではないですけども、ぜひ1時間ですけれども、お話を聞いてください。

■ くぬぎ苑の概要

まずは私の自己紹介ですね。私は福祉もぐりです。それまでは銀行員だったんです。生まれは福岡県飯塚市という所、炭鉱で栄えた所ですね、昔。50歳になったばっかりです。私、銀行員でした。平成2年4月に福岡銀行に入行しまして、約15年ぐらい勤めました。
いろんな理由がありまして辞めざるを得なくて辞めた後に、たまたま老人ホームをやらないかっていうようなお言葉をいただいたんですよ。そこから1から勉強しまして立ち上げをしました。で、なんとか10年を迎えられたっていうことですね。
最初は施設長で、平成21年に理事長に就任して今兼務をしております。

施設の概要ですけれども所在は福岡県飯塚市相田という所です。正式名は社会福祉法人櫟会。くぬぎっていうのはくぬぎの木のくぬぎで落葉樹なんですね、くぬぎの木は。昔旅人がくぬぎの木の下で休んでいたら葉っぱで優しく包み込むっていうような由来があるんです。それでお年寄りを施設でやさしく包み込みたいということでこの名前をつけました。
事業は、ごくごく一般の施設で、特養は定員が70名です。それとショートステイが20名、それからデイサービスが40名。あとは居宅と、飯塚市はちょっと遅れてましてまだ在宅介護支援センターっていうのが残ってますけど、来年度から順次ここが包括支援になります。
うちは平成30年4月から包括のほうに移行しないといけません。
オープンは平成17年10月1日でございます。
場所はですね、北九州市と福岡市のちょうど中間に当たります。山に囲まれた盆地でとても冬は寒いし夏は暑い。有名なところではNHKのドラマとかでやってた伊藤伝右衛門さんの邸宅があります。九州の炭鉱王ですね。で、奥様が白蓮さんっていう詩人の方です。
これは今のあの副総理、財務大臣ですね、麻生太郎さんのお膝元でこれは麻生太郎さんのおじいちゃんが建てた別邸です。書院造りでとても紅葉の時期なんかは大変綺麗な所です。麻生大浦荘っていう所ですね。あと有名なところではですね世界記憶遺産になりました山本作兵衛さんの記念館がすぐ近くにあります。炭鉱の絵を、描写をいろいろと描いてっていう方ですね。
これはうちの正面から撮った写真です。入ってすぐ玄関、中庭がありますうちは。

これフロアの図ですけれども3階が4ユニット。1ユニット10名です。だから40名ですね、3階は。2階は30名。桜と桃っていうショートステイの単独ユニットになっています。1階は平成17年にオープンして、平成21年に増床した所。2ユニットあります。全部でショート合わせて9ユニットですね。まあ全部個室のユニット型施設ですね。
組織図ですけれども、私はできるだけフラットな組織がいいなと思って。私の下に事務方の部長さんがいて、最近は課長っていうのをやっと作りました。そして各階にケアマネがいます。そして以前は、今はいないですけどフロアリーダーっていうのを付けてました。そしてユニットリーダーがいて、スタッフがいて。介護は介護リーダー。栄養士とあと機能訓練ですね。機能訓練はですね、理学療法士と看護師2人置いております。
入居者の状況ですけれども、これ特養70名なんですけれど、うちは特養にしては非常に軽いです。要介護度がまだ3.5しかないですね。平均年齢は88.04歳になります。
あと職員の状況です。介護職員、これはショートステイと合わせたところですね、常勤換算で49.75人。看護が7.45人。職員配置は今1.57対1です。他に育児休暇取ってる者もいます。意外と手厚い配置じゃないかなって思います。

■ バラバラなケア、小集団ケアからの脱却

うちは、私こんな偉そうにお話してますけれども、本当に施設、ハードがユニット型なんですけれども小集団ケアやったんですよ。バラバラなケアやってましたし、職員も本当に離職がすごかったんです。で、そこでどうしたらいいのかなって本当に思い悩んだんですよね。で、こんな不満の声がいっぱいあがってきた、施設の方針がわからん、とかですね。どのようなケアをやっていいかわからないって言って何人も何人も辞めていきました。
バラバラなケア、離職っていうのが毎日のようにありました。

そこで考えたのが理念なんですよ。理念を作り直そうと。当初の理念っていうのはどうしても県のほうに認可申請しないといけなくて私が勝手に作った理念だったんですよね。そこでちょっとこれはいかんということで職員全員で理念を作り直そうということから手をつけました。いい機会かなと思って。大体3年目過ぎたくらいにこれをやりました。
手順としては、皆さんご存知のように老人福祉法の17条にある省令の33条にユニットケアの理念っていうのが書かれてます。長い文言なんですけど入居前の暮らしと入居後の暮らしが連続するようにケアしなさいっていうのがこの条文なんですけど、だから私たちはですね、これがもう長ったらしいので暮らしの継続っていうことで統一してます。
作業手順としてはそのユニットケアの理念、それと理念っていうのはやっぱり自らのケアに迷った時に立ちどまって振り返るものなんですね。だから簡単でわかりやすいものがいいでしょう、この2点を条件に、全職員からアンケートのような形で集計をしました。大体10月ぐらいにそれを伝達しまして。一応チームみたいなやつを作りまして会議をしまして案を取りまとめました。で、一回それをすべてフィードバックしました職員全員に。12月に最終案を各ユニット、或いはデイサービス、居宅、在介全部にこれどうだろうかっていうふうですね、伝達をしました。最終的には1月に4ヶ月ぐらいかけてユニットリーダー会議っていう会議で最終決定しました。

この理念をみんなで作ったときから施設の雰囲気が変わった。職員の考え方も変わってきた。ケアの質も変わってきました。
答えを言いますと、この10年で一番、このくぬぎ苑が大きく変わったのは理念なんです。理念がすべての職員に浸透したっていうこと。これが大きな転機だったんです、うちにとって。だから今があるのかなと思います。これが答えなんです。今日皆さんにお持ち帰りいただきたいのはここなんです。理念なんです。
これを、管理者の皆さんであれば、いかに職員に伝えていくのかっていうことです。やっぱりこれ、理念を伝えるっていうのは、本当に根気がいります。本当に管理者の皆さんであれば腹をくくってちゃんと、徹底的に伝えないとなかなか伝わらない。

うちは幸いにしてこうやって理念を一から全部、職員で作ったので比較的浸透しやすかったんです。なかなかこれを伝えるのが難しいとは思いますけれども。それをやっぱりやっていかないと、なかなか組織がまとまらないし、離職が続くんだと思います。ここができてないから人手が足りないっていうような、そういうのにもつながると思いますんで。ぜひこの理念をですね、もう一回考えていただければと思います。
うちのできあがった理念は大項目は四つ。その人らしさ、入居者さんの生活リズムであるとか、価値感を大事にしましょうということ。もちろんこれ33条の暮らしの継続っていうのとリンクしています。
それから、入居者さんの想いに共感をして喜びや笑顔を分かち合えるような、そういう関係を作りましょうということで、共感・喜び・笑顔、というのができました。
それと入居者さんがいつまでも地域社会の一員なんだということを認識してもらいたいっていう職員の強い思いがあってこの地域の触れ合い、隣近所との付き合いを大事にしますよっていうこの四項目が出来上がりました。

■ 理念の具現化

職員によく言うのは、私が本当に敬愛するある方がよく言ってる言葉があるんですけども、目が覚めた時が朝で、眠くなった時が夜、食べたくなった時が食事どきっていうことで、一人一人の暮らし方を大切にすることなんだよっていう。若い職員にはこういう風に伝えてます。あとはお好みとかこだわりを尊重するっていうことです。
でもこれ言葉で言っても、なかなかこれ実践できないので、うちはユニットケア推進センターって団体があるんですけども、そこが作った24時間シートっていうのを大いに活用しています。だから70人の入居者さんがいらっしゃるんですけども、70通りの暮らしぶりを詳細に書いたシートを作ってます。
それに基づいて、それを根拠にしたケアを私達はやっています。その24時間シートを活用するっていうのはやっぱりその人らしさっていうのを実現するんですね。言い換えれば理念の具現化に繋がるんです。だからこの24時間シートっていうのは本当に私達にとって大きなツールになっています。大切なツールになってます。あとで一例をご紹介します。
私は施設を立ち上げて本当に理念がこんなに大事というのも全くわからずに、伝えようともしなかったんですけれども、みんなで理念作り上げてからは、もちろん全体会議っていう1年に1回、総会みたいなやつがあるんですけれども、そこでも伝えますし、あと理念勉強会っていうのをやってます。で、来年度からは1日研修理念塾って言うのですね、開きます。これは5日間ぐらいに分けて、全職員を受けさせます。この1日研修を来年度からやろうと思っています。

あとは理念カード。これはよくあるんですけど、理念カードっていうのを職員に持たしたりとか、当然理念に基づいた計画を立てますよね、法人は。で、事業計画に必ず盛り込みますし、それに基づいて各ユニットがユニット目標っていうのを作ってます。そしてユニット目標に基づいて各個人が個人目標を立ててますので、嫌でも理念を意識してないといけない、そういう風な仕組みを作っています。
あとはヒアリングですね。定期的に、ちょっとこの職員のケアが最近荒いねとか、そういう職員を、「ちょっと」って呼んで、「理念なんだったっけ」って、そういうような確認をしています。うちは理念を丸暗記してもだめなんです。例えばその人らしさであればですね、例えば排泄の場面でどういうふうに実践してますかっていう聞き方をします。職員は、例えばきょうは天気がいいので、お花見行ってきます、でも近くにトイレがなかったらいけないので、いつもとは違うちょっと大きめのパットを付けますっていうような答えをしないと合格じゃないんです。だから定期的にこうやってヒアリングをしてます。理念をちゃんと理解しているかどうかということです。

あとは教育ですね。やっぱり十分な研修っていうのは、施設立ち上げて1年目2年目ってやっぱりできてなかったですね、今思えば。
理念をみんなで作り上げてからは、各ユニットはユニット目標っていうのを立ててますので、それに基づいてどういうケアをやってるかっていう発表会を、今うちはやるようにしています。そうするとユニット間の情報の共有っていうのが意外とスムーズにできます。これ非常に効果が上がってます。

あとはもう6年ぐらい続けてますけど、毎週金曜日の(午後)1時半から30分、ユニットケア勉強会っていうのをずっと続けてます。もう6年くらい続いてますかね。
あとは苑内研修で車椅子に3日間座って、利用者体験をさせる。まあこういったことをやってます。

あとはハードですね。私本当、ハードの知識もなかったのでいっぱい失敗してます。ユニットの中にお風呂作ってないです、お風呂ないんですよ。ユニットの玄関がみんな一緒。掲示物も入居者さんの目線になってませんでしたし。必要でもなかった温冷配膳車なんかを買ってしまったりとかですね。大きな失敗をしています。
でもそのあとはいろいろ勉強しまして、キッチンとか床とか。照明器具はできるだけ家庭に近いものに変えたりとか、あとは本物を使うってことです。絵とか花。造花とかうちは一切ないです。全て生の花。
いろいろ改修もしました。エアコンとか、居室の洗面台のスイッチとか、鏡の高さとかを全部下げました。あるいはユニットの玄関、これ設え費っていうのを各ユニットにお金渡すんですよ。で、ユニットの職員がそれぞれで玄関を設えてくれっていうことでお金を出してます。なかなか重度の方なんか外出できない方のために、少しでも街の雰囲気を味わって欲しいということで、売店を作ったりとかですね。

あとはセミパブリックスペース。ユニットとユニットの空間を全く活用できてなかったんですけども、そこをサークル活動の場に変えました。今はボランティアさん、本当に何々流とか書道何段とかっていうボランティアの方がですね、教えに来てくれてます。そういうスペースを作りました。

私がこの10年間目指してきた組織、これは賛否両論あると思いますけど、私は逆ピラミッド型組織が大好きなんです。頂点は当然に入居者さん、家族、その下にスタッフがいます。で、その下にリーダー層がいて、その下にフロアリーダーとか課長がいてです。施設長とか一番下っ端でいいんです。そして上の人たちが仕事しやすいようにサポートするのは私の仕事っていうことで、この10年間やってきました。
もう風通しの良い組織を作りたいなっていうのが私の強い(思い)、今でも思ってます。そういう組織をずっと目指してますし、これからも目指していきます。

■ 最期までその人らしい暮らしを支えるために

私は福祉もぐりで最初、施設見学に結構行きました。で、衝撃的な光景を垣間見ましたね。

本当にいわゆる収容の場でした。これ特養なんですけども長い廊下があって、これ、多床室ですよ。こんな感じ。病院ですよねもう。
これ食事をする場なんです。ホール。認知症の方なんかここは食事をする場なんか絶対思わないと思うんですよ。
お風呂もこんなだだっ広いお風呂。で、次から次にこう、体を洗う人、着替える人、おむつ着ける人、流れ作業でずっとやってるっていうのがこういう所にはもう絶対うちの親を入れたくないなっていう、今でもそう感じたのを覚えてます。
でも特養はもう病院モデルだからですね。しょうがないって言ったらそれまでなんですけども。病院ってのは治療の場なんですね。病気とか怪我を徹底的に直してリズムを取り戻す所なんです、だからいいんです病院は。同じ茶碗ででしょ、同じ量の、小さなおばあちゃんも、大きなおじいちゃんも同じ量なんです。メニューも全部同じ。治療食は別かもしれないですけれども。
でも施設は自分のペースで暮らす所なんですよ。でもこれを今までのこの病院をいまだに踏襲している施設がまだまだ多いです。もう時代は変わったのに今でも病院モデルを踏襲してる施設が未だにあります。で、よく施設長さんとかと話してて生活の場って言う、施設を。でも生活っていうのはよくよく調べると生きるっていうような意味があるんですね。だからどちらかと言えば、生活っていうのは病院なんですね。だからここの言葉の違いってとても大事なんですね。

だから特養っていうのはあくまでも暮らす所なんです、当然終の棲家になる所かもしれないし。だから施設は暮らしの場なんだっていうことなんですね。
で、昔の老人福祉法の2条はですね、入浴排泄食事のお世話をしなさいねっていうことだったので、どうしても業務優先。昔の施設長はよかったんですよ。終わった終わったって、入浴終わったって言っとけば施設回ってたんですけれども。もう今はそんなことできない。もう時代も変わりました。老人福祉法が出きた時はテレビが1件に1台ない所もありましたけれども、今では1件に複数台のテレビがあるんですけれども、施設ケアっていうのはいまだにやっぱり変わってない所が多いんですよね。
でも平成14年に33条って言うのができて、いわゆる暮らしの継続してくださいねっていう法律に変わりました。これは多床室でもユニット型でも私やっぱりここはしっかりとやらないと生き残っていけないと思いますよ、今からは。だんだん地方によってはもう待機者がいないよっていう所も出てきてます。うちのお隣の町も、もう空きが出てます、特養。だからここをしっかりとやっていかないと、これは有料老人ホームだってそうです。いかにその入居者さんの暮らしを大切にするかどうか、ここが生き残りのポイントだと思います。
今から選ばれますよ、今以上に施設は。有料老人ホームもそうだと思います。
やっぱり食事をするんだったらこうでしょう。これうちの写真なんですけどね。お風呂もマンツーマンが基本ですよ。うちは毎日入る人もいる。3日入る人、2日でいいよって人、バラバラです。で、好きな時間にできるだけ入っていただくようにしてます。

■ 暮らしの継続の実践 〜ユニットケア〜

で、暮らしの継続を実践するにはですね、やっぱりユニットケアっていうのがやっぱり今のとこ一番いい手法なんだと思ってます。

ユニットケアを回すには四つのポイントがあります。
一つは少人数ケア体制を作るっていうこと。二つ目は入居者さんが自分の住まいって思えるような環境を作るってことですね。三つ目は今までの暮らしを続けてもらえるような暮らしを作るっていうこと。四つ目は24時間の暮らしを保障する仕組みを作ることです。
この四つのどれが欠けてもユニットケアはうまくいきません。
だからうちも、なんでうまくいかないのかなって思ったときは、ここに立ち返るようにしています。今ここがちょっと弱いな、とかですね。
だからこの四つのうち一つが崩れても絶対にうまくいかない。少人数ケア体制を作るっていうことは、場合によっては10人前後の入居者さん、職員は固定配置してます。10年間これはもう守り続けています。例えば2ユニットで職員を回すようなことは絶対やらないですね。

固定配置すれば一人一人の入居者さんが見えてくるんですよ。本当に近くに。本当に近い距離になっていきます。それを更に近づけるために24時間シートっていうのを取り入れてます。
ユニットごとに入居者さんの暮らしぶりって違うんですよ。朝6時半からご飯食べる人もいます、うち。だから勤務表は必ずそのユニットの、入居者さんの状況を知ってるユニットリーダーが作ります。権限を与えてます。何も現場を知らない、例えば生活相談員であるとか、あるいは施設長が作る、それはとんでもない話。入居者さんのことを一番知ってるのはユニットリーダーです。だからリーダーがうちは作ってます。だからここ、ユニットケアの最大の特徴なんです。一人一人を把握しやすいってこと。あと馴染みの環境を作りやすいということです。
これは認知症ケアでも第一。今グループホームなんかでもやってますかね。入居者さんからすればいつもの人なんで安心なんですね。顔なじみの関係ができます。固定配置してますから。認知症にも効果がありますよって。 ちょっとした変化にも気付きますので、きめ細かなサービスができます。メリットとしては例えば覚えられる情報量を500ってした時に50人を見るときと、10人を見るときでは情報量が全然違いますよね。500個の情報量、でも50見ないといけないので、1人10個しか頭に入らないんですけども、これが10人しか見なくてよければ50個入るんです、情報が。決定的にここ違うんです。

それと大事なのはやっぱり国の人員配置の基準って看介護(併せて)3対1でしょ。あれ最低基準なんですよね。でもやっぱりユニットケアやろうとしたら2対1いないと絶対やれない、無理です。
あとはいくら固定配置したといっても入居者さんの数ってとても大事なんです。
例えば20人を10人で見ても2対1でしょ。10人を5人で見ても2対1なんですけれども、やっぱり情報量は変わってきますので同じ固定配置するにしてもやっぱり10人が限度かなと思います。2対1と3対1、どれだけ、これ日中の勤務者数を計算した表なんですけども、どれだけ違うかって言ったら2対1のときには日中の勤務者数3人になります。まあこれはもう。お分かりになると思うので、3対1のときは1.8人。1人の時があるんですね。これで個別ケアやれと言ったって絶対無理なんですよ。ご存知のように2対1でも早番1人来て、そのうち2人になって、そのうち3人になって、でもまた2人になって1人になるでしょ。だから本当は2対1でもやっぱりきついのかなっていうのが私の実感です。

あと夜勤はもう皆さんのところも導入されてるかもしれないですけど、8時間夜勤、これが良いとは言いません。でもやっぱり日中人手がいないと、やっぱり買い物であったりとか、回転ずしとか連れていけないんですよ。どんな綺麗事言っても。だから8時間夜勤をうちはやってます。だから16時間夜勤と違って1日なんですね、休みが。これは実質職員の休暇を奪ってるんですよね。だから回数は4回ぐらいに留めないとこれはちょっと職員の体力的にも持たないので、うちのルールは夜勤は月4回までって決めてます。

ユニット型は、2ユニットに1人なんですよね、夜勤者。だから20人見ないといけないんですけど、基本的に8時間夜勤だったらもう入居者さんの活動っていうのがほぼないんですね。安眠ケアなんです。だから2ユニットでも大丈夫なんです。だから絶対おはようケアとか夕食の介助とか絶対させないです、だって情報持てないです、20人の情報っていうのは。だからやっぱり8時間夜勤にして守備範囲を狭くするっていうのがやっぱり大切だと思います。これも2対1で8時間夜勤と16時間夜勤だったらやっぱり約1人違うんですね、日中における人員が。最初はこの8時間夜勤。反対されましたけど今はもう戻れないって言います、職員。16時間夜勤なんかできないって言いますね、きつくて。

入居者さんが自分の住まいと思える二つめのポイントは自分の居場所があったりとか、あとはユニットですべて完結するんじゃなくて、一歩出た所にやっぱり地域の雰囲気を感じる場があるかどうか、ということですね。環境というのはとても大事です。うちのリビングで電化製品なんかも手の届く所に置いたりしてます、入居者さんが。家族も自由に使ってます、これ。リビングは食事をする所とくつろぐ場っていうふうに分けてます。これくつろぐ場で、あのソファに寝てらっしゃる方、あそこが居場所なんです、あの方の。いつもあそこでゴロゴロしてます、日中。居場所を作るっていうのはとても大事。
これ玄関。改修前の玄関。皆こんな感じでした。設え費を出して、手づくりなのでそんな大した玄関ではないですけども、職員が、認知症の方でも自分の家って分かるようにってそんな思いで作りました。傘立て置いたり、ポストとかあったりとか、たぬきの置き物を置いたりとか、ちょっとした庭を作ったりとか、こういうふうな工夫をしています。
これは売店です。近所のコンビニの方が商品管理全部やってくれてます。儲けは一切ないです、うち。かなり売れます。
さっき言ったセミパブリック。ユニットとユニットの間の空間の活用ということで。これはわざとパイプ椅子置いてます。少しでも公民館の雰囲気を味わってもらいたいなということで、あえてパイプ椅子置いたりしています。

これは茶道ですね。お茶をする所。
あとは本を、まだまだ本少ないんですけれども、ここでゆっくり本を読めるようなスペースを作ったりしてます。
ここは職員がよくおやつをここで作って、結構匂いが充満するんですよ。そしたら違う所の入居者さんが1人2人って集まってくるんですよね。クッキング、おやつ作りをしています。
子どもさんの来苑もとても多いので、暇つぶしのためにキッズコーナーとかも置いてます。

三つめのポイント、今までの暮らしを続けてもらえるような暮らし作るっていうことですね。やっぱり好きな時間に寝起きする、好きに飲み食いしたいって。トイレはプライバシーに配慮してくれってことです。ここでも24時間シートっていうのが大いに活用できます。70人いればそれぞれの暮らしがあります。個別対応というのが当然基本になります。

これは盛り付け。目の前で盛り付けしてます。これくらいでいいですかって、ちゃんと量を確認してます。時にはお手伝いをしてくれる入居者さんもいます。無理強いは絶対してません。
あとは1人でゆっくり部屋で食べたいって、だから場所も自由。食べる場所ですね。あとはいろんな持ち込みされています。カゴいっぱいに、この方いろんな、自分の好きなのりたまであったりとか、持ってきています。

たまたま遅く起きた人、あれ2時間ルールってあるじゃないですか。調理をして2時間たった料理は捨ててくださいねってルールがある。そういう人のために常備食っていうのを置いています。いつでもユニットで作れるようにですね。夜中ちょっとお腹すいたっていうの人のために、スープとかカップ麺とかもユニットに必ず置いてます、うちは。
あとは味噌汁ですね。朝の、どうしても6時半くらいにご飯を食べたいっていう方が数人いらっしゃるので、朝食は基本的にユニットで今、作ってます。味噌汁なんかもですね。だから栄養士がちゃんと調理方法を教えました。最初美味しくなかったんですけどね。今はとてもおいしい味噌汁です。

やっぱり職員の意識もこうやって変わってきました。最初食事をやっぱり業務としか思ってなかったんですよね。とにかく食事はよ終わらせて、みたいな。でもだんだん理念を作り変えて毎週毎週勉強会をするうちに職員の意識も変わってきました。最初は一斉に出してたんですよ。うちも。
この方、104歳のおばあちゃんなんですけど、こうやってとても綺麗好きな方。だから今まで家でやってたことを、うちでもやってくださいっていうことです。洗い物もしてくれます。洗濯物もかけてくれる。たたんでくれます。だから今までの暮らしがくぬぎ苑ではやれますっていうことですね。当たり前かもしれないですけどね。
時には当然、酒、ビール飲んだり、好きなステーキを食べに行ったりもしますし、ペット、犬とゆっくりした時間を過ごしたり、あるいは入居者さん同士で将棋をしたりとかですね。今までの暮らしを、施設にたとえ入ったとしても続けてもらうっていうことです。前、お花の先生なんかして。このお花をユニットの玄関に飾ったりとかしてます。

あと24時間の暮らし、四つめのポイント、最後なんですけれども。うちは朝礼ないです。朝の7時にはもう夜勤者も帰るし、バラバラなんですね。勤務時間が。だから朝礼を無くしてますので。同じ職員がずっとその人のお世話なんかできないじゃないですか。せいぜい1人8時間勤務なんですね、うち。3×8=24、だから3人は絶対いるからどうしても情報共有をどうするかっていうところで、うちはこういう日報を作っています。ちょっと見にくいかもしれませんけれども、きょう施設全体でこんなことありますよ、例えば何々小学校の生徒さんが来ますよとか、施設全体の動きをまず書いて、その日の勤務がこうですよとかですね。あとは他部署からの連絡ですね。今インフルエンザがまた猛威を振るってるので、手洗いうがい徹底してくださいねみたいな。あとは入居者さんの状況で、ここはいつもと違ったことを、うちはパソコンなんで、飛ばしてくれって。私なんかもここであれって思ったケース記録について、その人の個別のケース記録に戻って確認するっていうふうになる。これ一枚で昨日何があったのかなとか、今日何があるのかなってのが分かる。この日報っていうの活用しています。これで情報共有、伝達をやっています。

やっぱり個別の情報ってとても大事なんですね。集団ケアやっている所、なぜ一斉のケアをしてるか分かります、皆さん。多分、ニーズを知らないですよ。この人は温かい牛乳が好きだよとか、冷たい水がいいよ、温かい日本茶がいいよっていうのやっぱりアクセスしてないんですよ。だから一律一斉にやかんに入れた麦茶を注いで回ったりとかをして。せざるを得ないんですね。ニーズを知らないから。
あとはケアの視点ですね。ユニットケアの理念は暮らしの継続。暮らしっていうのは1日1日の積み重ねなので、やっぱりケアの視点は1日24時間の暮らしに置かないといけないんですね。私たち健常者まっすぐで全然虫食いじゃない(サポートが必要ない)んですけど要介護の方は空いてるんですね、ところどころ。サポートが必要なんです。ここに視点を置いて、どういうふうなサポートをしないといけないのかっていうのをやっぱり1人ずつ見ていかないといけないですね。そこで何度も言いますけども24時間シートっていうのがここで大いにまた活用できます。

■ 24時間シートの活用例

これが24時間シートの一例です。この方、朝のお勤め、位牌を持って来てらっしゃるので生活リズムは朝の勤め。意向・好みは仏さんに御仏飯とお茶と水をあげる。じゃあ私たちの本来の仕事、自立支援ですからご自分でできること何ですかって。水だったら入れ替えができます、じゃ私達何すればいんですかっていうことですね。仏飯器にご飯を饅頭のように丸く盛ってくれ。お茶はちょっと危ないんでお茶はやってくれっていうことです。

この生活リズム、意向・好み、自分でできることっていうのは1日24時間の暮らしのアセスメントなんですね。それに対してどうですかっていうこのサポートが必要なことっていうのが1日24時間の暮らしのケアプランになります。だから24時間シートと、ケアプランっていうのは必ず連動するんです。だからケアマネなんかはこの24時間シートを参考にしてケアプランを作っています。
この人は食事時に焼酎を飲むので、白波っていう銘柄が好きなんですね、割り方は6:4じゃないんです。5:5なんですこの方。私たちはお湯と水どっちで割りますかって尋ねて5:5で割るのが私たちの仕事になります。

ここで他職種の観察の視点を必ず入れます。ここは看護婦の視点とか、あるいは栄養士の視点も入れてもいいし機能訓練士の視点なんかもここに、一枚の紙に入れるんですよ。そしたらここで他職種連携というのができます。みんなで職種が違っても1人の方の情報をみんなで共有することができるので、そういう意味でもこの24時間シートというのが活用できます。
これを作るに当たっては聞き取り項目を施設で作ってます。だからかなり詳細です。カーテンどうしますかとか、起きたとき電気はどうしますかって、ここまでヒアリングしています。だからバラバラなケアでうち困るんですよっていうような声聞きますけども、逆に皆さんがここまでその人に教えてたかっていうこと。教える側の問題なんです、バラバラなケアっていうのは。本当にやるんであればここまでしっかりと教えないといけないんです。そういう意味ではこれは新人教育とか教育ツールにもこの聞き取り項目っていうのは活用できます。
あと、記録もですね。よく聞くのは、結構悩みは書くものが多いんですよねとかですね。特変なしって、書きたくないのにとか、職員によって記録もばらつきがあるって、何を書いていいのか分からないっていうのは結構な悩みがあるんですけども。うちは24時間シートに沿って記録をするようにしてます。うちの記録を見ていただいたら、ひと目でその方が暮らしぶりが分かります。1日こうやって暮らしたんだなっていう。だからこういう悩みはないですね。24時間シートっていうのはいわゆるケアの見積りなんです。その見積りに対してどうだったかって書くのがケース記録なんです。だから24時間シートが左側なんですけれども、非常にアバウトでしょ。7時から1時間単位ぐらいであって、7時から8時くらいに目が覚めてトイレに行くってのがこの人の生活リズム。でもケース記録は確定ですから7時15分に目が覚めましたとか。7時50分にトイレに行きましたとか、必ず24時間シートを左側に置いてそれに基づいてケース記録を書くようにしています。

24時間シートを作成したらこれを並べるんです、縦に10人分。さっき言ったようにこれを見ればこのユニットの入居者さんの暮らしぶりがひと目で分かるので、うちの施設はこれを基に勤務表を作成しています。だから昔のように早番、中番、遅番があってとかじゃなくて。うちのユニットがこのような暮らしぶりなのでこの暮らしぶりに合わせて勤務表を作ろうね、ということにしています。だからうちは63通りの勤務表があります、勤務シフトがですね。全部は使わないんですけれども、いつでも臨機応変に変えれるように。どうしても昔の勤務体系だったら業務優先、時計を見る仕事になってしまうんですね。だからここもうちは大胆に63通りのシフトをユニットリーダーに渡して自由に作っていいよってそういうふうな権限も与えています。だから急な休みとか、外出の時なんかも自由に組み換えができますので。
あとは入居者さんの暮らしぶりに合わせるので残業が減りました。無駄な残業がなくなりました。うちの残業っていったら会議ぐらいです。
24時間シートの話を今していましたけれども、最後まとめですね、効果の話。一つはやっぱり一人一人の暮らしぶりが分かります。1日24時間の詳細のシートを作りますんで。
あとはさっき言った、ケアのばらつきがなくなります。見える化しますから、ケアを。
あとはさっき言った聞き取り項目。教育マニュアルになります。非常にこれ有効です。
あとはさっきの一覧表を見て人員配置の計算ができるんです、管理者さんの皆さんであれば。1日べったりの常勤は必要ないね、ここはスポットで2時間くらい、ここケアが集中してるから2時間パートでいいなとか。経営の根拠になります、これ。とっても有効です。

ここちょっと飛ばしますね。

■ ユニットケアを運営して

ユニットケアを運営してよかったことなんですけれども。入居者さんにとっては、先ほどお話しましたけれども、やっぱり馴染みの関係が築けますので不安っていうのがなくなります。安心した暮らしの継続が可能です。
あとは自分のペースで暮らすことができます。家族にとっては、個室っていうこともあるんですけども、とっても来苑者が多いです。毎日来てる人、或いは泊まる人もいます。
当然ですけれども、看取り、ほとんどの方がうちで看取りをしてくれって言う。ほとんどの方が病院はもういいですって、くぬぎ苑で看取ってくれって方がほとんどですね。
職員にとっては家族の来苑がとても多いので、入居者さんの情報っていうのがとても聞きやすいんですよ。タイムリーに聞けるんですね。だから入居者さんのくらしの情報の厚みが増しました。
若い職員でまだ身内の死を知らない職員であっても看取りを体験しますので、自己成長につながるっつうことです。あとは職員固定配置してますので、チーム力がとてもあがりました。
ちょっとした変化にも気付きますので常に先取りの介護、或いは看護ができます。だから本当に入院に至らないでその前で止めることが意外とできます。ユニットケアやってたらですね。
うちがオープンして、10人をひとくくりにした小集団ケアやってたんですね。起きる時間も一緒だったし、食事を出す時間も一緒でした。1年経ってなかなか個別ケアが進まない。勉強会もちょこちょこやってはいたんですけど全く職員に伝わらなかったです。やっぱり離職。次々に職員が辞めていった。転機になったのは、何度も言いますけども理念なんですよ。やっぱり理念をみんなで作って理念に基づいた行動指針を作ってから職員の意識、ケアの質、変わってきました。離職も減りました。

5年目になったらですね、やっとハードとかの造り変えも目が行き届くようになって、今はボランティアとかサークル活動をもっともっとやって行こうって、こっちの方に力を入れてます。
当然今でも理念の浸透ということには私が旗振り役になって理念の浸透、理念を伝え続けてます。今、社会福祉法人っていうのは地域貢献っていうことはよく明文化されましたよね、再度。
うちは昨年度からどんぐりカフェっていうのを始めました。これは毎月2回、地域交流スペースでやってるんですけれども。運動教室、これはケアマネとかが付いて、パワーリハみたいな機械があるので、それを無料で開放してそこへ介護予防みたいな感じでやって。月の内もう一回は無料講座をやっています。例えば、これ去年やったやつなんですけども7月の夏の時期は水分補給について。これは大塚製薬さん、外部の講師の方に来ていただいて。熱中症とかそういうお話をしていただきましたし、うちの機能訓練師の方から腰痛予防体操の講座をしたりとか。うちの職員で認知症の指導者がいますので、その者による認知症についてっていう、そういう講座も開きました。管理栄養士による減塩教室を開きました。ケアマネによる介護保険のお話であったりとか、葬儀屋さんを呼んでエンディングノートの講座を開催して、これとても好評でした。
来年度はこれに加えて棺を持っていただいて実際棺に入ってもらう体験もやろうと思っています。これも面白いかなと。あとは地域の認知症サポーターの養成講座を開きました。会費は100円です、1回。
喫茶店がありますのでランチも食べれますし。ランチは当然有料なんですけどね。管理栄養士がカレーライスを作ってますし。チキン南蛮定食っていう最近作って。ランチも食べれます。早めに来てですね。結構これも好評になってきています。

民生委員さんなんかも来られます。在宅で介護されてる方とかも来て、ここでいろんな同じ悩みを持った人とワイワイ話をして或いはうちの職員に対しても福祉について、悩みの相談なんかも受け付けてます。
こうやって地域に根差して地域の人たちとのネットワークっていうのが、でき上がりつつあります。そうすると、例えば祭りなんかするじゃないですか、こういう施設って。必ずボランティアとかで来てくれますし、フリーマーケットとかしますよって言ったら、いっぱい物を持ってきてくれたりするんですね。社会福祉法人っていうのはやっぱり地域の支えがないと本当にやっていけないなって。
これを始めてやっと再認識したような感じなんですね。だから本当にうちは地域の人も、たくさん、施設のほうに足を運んでくれてます。

うちは本当に皆さんに自慢できるような設備でないですよ。木をふんだんに使った建物もないし。大理石もないし。本当に、きらびやかな調度品もないです。普通の特養なんですよね。でも皆さんに一つ自慢できるっていったら、やっぱり職員の笑顔なんですよ。優しい笑顔があります、本当に。やっぱりこの人の暮らしをしっかりサポートするんだっていう使命感みたいなものを持ってます。だから本当に介護職って今離職多いよとか言うんですけれども、でもやっぱり給料じゃないんですね。やっぱり使命感とか生きがいなんですよ。80歳90歳の人、ちょっとしたことでも本当にありがとうって言ってくれるじゃないですか。やっぱりそれが嬉しいっていう。だから介護職がいいんだってそう言っています。

私、リビング・オブ・ザ・イヤーの時にあえて嫌みを言ったんです。周りは(入居金が)3,000万、4,000万、5,000万の有料老人ホームの人たちがプレゼンしたんです。でもうちはそういうみんなに偉そうに言う設備も何もない。あるのは職員のやさしい笑顔に入居者さんの笑顔なんです。これは絶対負けません。幾らきらびやかな調度品があっても私はいいと思わないですね。私は有料老人ホームであろうと、老健であろうと、特養であろうと、グループホームであろうと、やっぱりこの暮らしの継続なんです。やっぱり介護に携わる者に課せられた使命は、やっぱり暮らしの継続です。これをいかに皆さんが担保するかっていうことで、その施設の質っていうのが決まります。

うちも80歳になる母親がいます。そろそろちょっとっていう感じなんです。うちの施設もいいですけれども、私が施設を選ぶ基準はやっぱりその人の暮らしをどこまで大切にしてくれる所なのかなって。仮に3,000万の所でもそれをしない所であれば、まあお金もないんですけれども、入れようとも思わないし、どちらかっていうとやっぱり託老所でも暮らしの継続をしっかりと見てくれる託老所のほうが、私は母親を入れます。施設を選ぶ基準はやっぱり暮らしの継続をどこまで徹底的にやってくれる所なのかなって。しかも根拠をもって。

だから今からは皆さんやっぱりエビデンスを持っとかないと。今からも世代が変わってきてるじゃないですか。だんだん、明治大正昭和の人が減ってきてますよね、今。その家族っていったら結構いますよ。だから今からやっぱり根拠をもってケアをやっていかないとなかなか生き残りというのはできないのかなと思います。
うちもまだまだできてない所ありますけれども。職員、この暮らしの継続っていうことをしっかりと、これはもう絶対ぶれないようにして、これからも必死に地域福祉、いかにこの介護職が魅力あるものなんだっていうことを、私たち管理者とかやっぱり伝えないといけないんですよね。本当に今人材いないでしょ、介護を望む人たち。だからどこへでも行って、介護はいいよっていうことをできるだけ私はこれからも発信をして、この介護職っていうのがもっともっと専門性が高まって本当にいい仕事なんだって思ってもらえるように、それも併せて発信をしていきたいと思います。

そろそろお時間になりましたのでここで私の話、本当にどこまでお伝えできたかっていうのは非常に心配なんですけど、少しでも一つでもいいですから、何か持ち帰るものがあったらなって思います。ご清聴ありがとうございました。

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(敬称略)

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